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事業資金を確保したいときによく聞く資金調達法として、売掛債権を現金化する「債権流動化」があります。

ファクタリングも債権流動化の一種ですが、債権流動化には他にも種類があり、メリット・デメリットが存在します。

本記事では債権流動とは何か、詳しく解説して参ります。

債権流動化とは?

ホワイトボードに書く人

債権流動化」とは、売掛債権の流動性を高め資金繰りを果たすことを指します。

簡単に言ってしまえば、売掛債権を売却して資金を確保するということで、もちろんファクタリングも債権流動化の一種に含まれます。

売掛債権は賃借対照表の中で資産に分類され、さらに流動資産として見なされます。

流動資産とは1年以内に資金にすることができる資産のことであり、そのため売掛債権は流動化、つまり現金化をすることができるのです。

中でもファクタリングは「借りない資金調達法」・「信用情報が低くてもOK」といった特徴があり近年大きな注目を集めています。

【関連記事】銀行融資を断られたらファクタリングを検討しよう!失敗しないためのポイント解説

債権流動化のメリット

債権流動化のメリットとしては、

  • オフバランスによる経営の効率化が可能
  • 割引手形に比べて低金利
  • 金融機関から審査落ちしても利用することができる

といったことが挙げられます。

まず前述の通り売掛債権は流動資産であるため現金化することで、自己資本比率を向上させたり総資本事業利益率などの主要な財務比率を改善することが可能です。

また手形割引は銀行以外の金融機関の利用で5%程度の手数料が発生しますが、3社間ファクタリングであれば2%~5%に抑えることができます。

加えてファクタリングでは主に売掛先の信用情報が重視されるため、金融機関から融資の審査落ちをしてしまった場合でも資金調達が可能となります。

したがって赤字決算・債務超過・税金未払いといったマイナス要素を抱えている場合でも問題ありません。

上記の理由から、ファクタリングに代表される債権流動化は大きな注目を集めているのです。

【関連記事】赤字決算や税金滞納中でのファクタリング審査を解説

【関連記事】債務超過時に有効な資金調達手段「ファクタリング」を解説

債権流動化の方法はファクタリングだけじゃない!

右肩上がりのグラフ

ファクタリングの有用性が近年広く認知されるようになり、債権流動化=ファクタリングという見解が流布しています。

ですが実は債権流動化の方法はファクタリングだけではありません。

債権流動化の方法は大きく分けて下記の3つです。

  • ファクタリング
  • 売掛金債権担保融資(ABL)
  • 売掛債権の証券化

それでは「売掛金債権担保融資」と「売掛債権の証券化」について詳しく解説していきましょう。

またファクタリングとの違いについても触れたいと思います。

売掛金債権担保融資とは

売掛債権担保融資とは、読んで字のごとく売掛債権を担保にして融資を得ることです。

れっきとした借入ですが、売掛債権を担保にしているため、債権回収の確実性が上がり低金利で借入ることができます。

また通常の審査ならば落ちてしまう経営者の方でも、売掛債権担保融資ならば審査に通りやすくなることも期待できます。

加えて万が一、返済不能になった場合でも売掛金が担保になっているので安心です。

売掛債権担保融資について詳しく知りたい方は売掛債権担保融資(ABL)とファクタリングはどう使い分ける?の記事をご覧下さい。

ファクタリングと売掛金債権担保融資の違いは?

ファクタリングと売掛債権担保融資の1番の違いは、借入であるかそうでないかということです。

売掛金債権担保融資は借入ですが、ファクタリングは借入ではありません。

そのため審査の有無や金利(手数料)といった部分に違いがあり、もしも債権が回収できなくなった場合でもファクタリングでは返済する義務がないのです。

とはいえ金利手数料の面では圧倒的に売掛債権担保融資の方が有利です。

入金スピードでは即日入金が可能なファクタリングが有利、審査の通りやすさでもファクタリングに軍配が上がります。

名称手数料
3社間ファクタリング1.5%〜5%
2社間ファクタリング(初回)15%〜30%
2社間ファクタリング(継続)7%〜15%
売掛債権担保融資(銀行)3%〜7%/年
売掛債権担保融資(ノンバンク)8%〜15%/年

売掛債権の証券化とは

もう一つの債権流動化の方法とは、「売掛債権の証券化」です。

売掛債権証券化とは、売掛債権を金融商品化して投資家に売却し資金を確保する方法を指します。

より具体的には保有している売掛債権を特定法人団体「SPV」に譲渡し、資金を受け取ります。

SVPとは企業と投資家の仲介業者的存在であり、企業の債権や資産を裏付けにして証券を投資家に発行する事業体のことです。

売掛債権の証券化をすれば、ファクタリング同様会計上は負債に計上されないため、オフバランスが可能となります。

しかしながら実際に売掛債権証券化が行われることはほとんどなく、証券化されたとしても投資家先が見つからないリスクもあります。

ファクタリングと売掛債権証券化の違い

ファクタリングと売掛債権証券化の違いは、債権の譲渡先です。

ファクタリングでは言うまでもなく譲渡先はファクタリング会社となりますが、売掛債権証券化では譲渡先は投資家になります。

どちらも債権を手放すと言う共通点があるように思えますが、もしも債権が未回収になった場合、売掛債権証券化の方は投資家に対して補てんを行わなければいけないケースがあります。

一方ファクタリングの方はノンリコースであるため債権未回収のリスクを追う必要が無くなります。

債権流動化のリスク

背を向けてパソコン作業

最後に債権流動化に潜むデメリットやリスクについて見ていきたいと思います。

債権流動化のデメリットとしては以下の点が挙げられます。

  • 売掛先からの承諾と通知を行う必要がある
  • 法務局で登記を行う必要がある

以下で詳しく解説致します。

売掛先の信用を失う可能性がある

債権流動化の際には、売掛先(取引先)に債権の譲渡をする旨の承諾を得る必要があります。

また取引先に対して振込口座の変更を求めなければいけないこともあり、混乱が生じてしまうかもしれません。

さらに資金繰りに困っているということを取引先に知られてしまうため、売掛先からの信用を失ってしまう恐れがあります。

そのため債権流動化後に、取引先との契約を打ち切られてしまうケースは珍しくないことです。

法務局で登記を行う必要がある

債権流動化の際には、法務局で登記を行う必要があります。

これは債権譲渡登記制度で決められていることであり、債権譲渡の対抗要件の際に必須となります。

手続きは煩雑になることもあるため、えてして避けられがちです。

ファクタリングならリスクを軽減できる!

債権流動化には上記のデメリット・リスクがありますが、実はファクタリングならば上に挙げたリスクを全て回避することができます。

ファクタリングの2社間取引ならば売掛先に債権譲渡通知をすることなくファクタリングが可能で、取引先に知られることなく資金調達をすることが可能です。

また3社間取引ならば売掛先に債権譲渡の承諾を得た上でファクタリングを行うため、対抗要件を法的に備える必要がなく、債権譲渡登記が不要となります。

資金繰りに困った際には、ファクタリングを活用することをお勧め致します。