債務超過時に有効な資金調達手段を解説!

債務超過とは、手持ちの資産をすべて売却しても負債を埋められず、純資産がマイナスになっている経営状況のことです。

俗に言う「首が回らない」状況といえますが、これを改善する、あるいは防止するにはどうすべきなのでしょうか?

今回は、「債務超過時に使える手段」として、ファクタリングをはじめとするさまざまな資金調達手段を紹介。

経営改善の相談ができる場所も掲載していますので、参考にしてみてください。

債務超過時に降りかかるリスク

債務超過とはどういう状況なのか、という点については本記事では割愛します。

その代わり、債務超過時にどういったリスク・デメリットが降りかかるのかを今回は解説していきましょう。

債務超過に陥ると、以下のようなデメリットが考えられます。

  1. 銀行から融資を受けづらくなるリスク
  2. 上場廃止リスク
  3. 倒産リスク

では、詳しく解説していきましょう。

上場廃止リスク

債務超過のリスクは、大企業ほど大きいものであるといえます。

日本取引所グループ(JPX)の、上場廃止基準は以下のとおりです。

債務超過の状態となった場合において、1年以内に債務超過の状態でなくならなかったとき(原則として連結貸借対照表による)

上場廃止になるだけでなく、一度でも債務超過に陥ってしまうと株価にも大打撃を受けることは必至です。

大企業にとってはまず避けねばならないものといえるでしょう。

一方で、非上場企業であればあまり関係が無く、こちらのリスクを負う必要はありません。

倒産リスク

債務超過になってもすぐに倒産するわけではありません。

支払いができるキャッシュが残っていれば、倒産は免れることができます。

とはいえ、倒産に近い状態であるのは事実ですから、倒産の可能性も頭に入れておかねばなりません。

倒産リスクを回避するには、「キャッシュフローの改善」と「経営体制の改善」を同時に行っていく必要があります。

銀行から融資を受けづらくなるリスク

まず、基本的に債務超過に陥ると銀行からの融資がかなり受けづらくなるというのは、周知の事実かと思います。

資金調達の手段が限られていき、余計に資金繰りが苦しくなる…という悪循環に陥ることが多いです。

上記のように、債務超過時には大きなリスクを背負う形になることがわかります。

とはいえ、これは融資を受けられる企業や、上場している企業の話。

もともと融資を受けられなかった零細企業にとっては、実は債務超過であってもそうでなくても大きな影響が出ないケースが多いのです。

負債を減らし利益を増やせば債務超過は脱出できる

複数のドル紙幣

とはいえ、債務超過は脱出しなければ倒産に繋がります。

キャッシュフローを改善するには、負債を減らしたうえで純資産を増やすのが鉄則。

最も手っ取り早いのは出資を募り「増資」することですが、これはその場しのぎにしかならないケースもあり、必ずしもオススメできる方法ではありません。

では、回復のために検討すべき手段とは、どういったものなのでしょうか?

債務超過時&債務超過回避に検討したい資金調達手段

債務超過に陥った場合に利用したい手段として、以下のようなものが考えられます。

  • ファクタリング
  • 売掛債権担保融資(ABL)
  • 制度融資
  • 再生融資制度
  • 経営革新支援の活用

以下で、詳しく解説していきましょう。

ファクタリング

融資審査に通らない状況でも、活路を見出せる可能性が高いのがファクタリング。

今ある債権を売却し、現金化することで資金繰りを改善し、営業を立て直していくことが可能です。

特に、債務超過時は自社の与信が非常に低くなっており、下記のような特殊な融資制度を除いて借り入れは現実的ではありません。

そこで活躍するのがファクタリングです。自社の与信はあまり大きく審査に影響しませんので、安定した資金調達が可能となるのです。

ただし、ファクタリングでは一時的なキャッシュフロー改善にしかなり得ません。現金化した売掛金をもとに、債務超過に陥った原因を根本から取り除かなければ再生は望めないでしょう。

売掛債権担保融資(ABL

もう一つが、民間の「売掛債権担保融資」を利用する方法です。

これは、売掛債権を担保に融資を受ける方法ですが、自社の与信だけでなく手持ちの債権すべての状況も加味して判断されるため、審査に比較的通りやすい手法です。

とはいえ、通常時よりも融資を受けるハードルはかなり高くなります。

あくまで手段のひとつであり、通常の融資よりはまだ可能性がある、といった程度です。

制度融資

都道府県、市区町村の地方公共団体が提供する調達制度です。

自治体の相談窓口で斡旋書をもらい、その斡旋書をもとに民間の金融機関が融資を実行するという流れとなります。

融資の際、「信用保証協会」に保証料を支払うことで金融機関はお金を貸しやすくなり、1%未満の金利で調達することが可能です。

条件は、「自己資金割合が50%以上」であり、実際の融資までは12ヶ月程度かかってしまうなどハードルが低くないことが欠点ですが、検討すべき手段といえます。

再生融資制度

会社の建て直しを図る際にもうひとつ検討したいのが、日本公庫の提供する「事業再生支援資金」、あるいは「企業再建・事業承継支援資金」。

対象となるのは以下の事業者です。

(1)民事再生法の規定による再生手続開始の申立て等を行った方であって、認可決定前のもののうち、一定の要件を満たす方

(2)民事再生法等に基づく再生計画等の認可等を受けた方及び私的整理に関するガイドラインに沿って私的整理を行う方で、一定の要件を満たす方。

債務超過に陥った場合、再生融資制度の活用が望ましいです。

こちらも、政府系金融機関が提供する制度のため非常に信頼性が高いことと、融資の際に金利が非常に安いのが特徴です。

日本公庫などに相談に行った際に、あわせて検討してみると良いでしょう。

経営革新支援の活用

経営革新支援とは、経済産業省が中小企業に向けた制度の一つです。

「これまで自社で取り組んでいなかった、新たな事業活動を行う」際に、経営革新計画を作成して下記の場所に相談することで受けられる融資となっています。

  • 都道府県の担当部局
  • 中小企業支援センター
  • 商工会・商工会議所
  • 地域力連携拠点

会社再生のために新しい事業を行うことが必要となっており、受けられる事業者はある程度限られます。

ただし、制度融資と同じく入金には少し時間がかかるのがネックといえます。

現状の打破に新事業を計画している方は、検討すべきといえるでしょう。

経営・資金繰り改善の相談ができる場所

資金繰り改善や財務体制の立て直しを図る際は、一人で考えるよりも金融機関で相談するほうが望ましいです。

下記のような場所に行き、1度相談してみると良いでしょう。

  • 商工会議所
  • 中小企業再生支援協議会
  • 日本政策金融公庫
  • 中小企業支援センター

加えて、ファクタリング業者も資金繰り改善のアドバイスをくれる所があります。積極的に活用していきましょう。

まとめ

中小企業が債務超過に陥った場合、まず専門家のアドバイスを受けながら、ファクタリングや再生融資制度を利用するのが望ましいです。

経営立て直しに必要なのは「経営体制」「キャッシュフロー」の両方。

ただし、現実的にはそう簡単ではなく、倒産するか民事再生するかの2択を迫られることも多いです。

民事再生は会社を存続させるための制度。会社に傷はつくものの、その後立て直して借金を完済するまで至った企業も過去には少なくありません。

事業を存続させるつもりがあるならば、民事再生で続ける道も探っていきましょう。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事