デリバティブ

[※本記事には広告・プロモーションが含まれております]

資金繰りに悩んだときに、ファクタリングは有用なサービスとして徐々に広く知られて来ていますが、実はファクタリングと似たような方法で資金調達することができる方法があります。

それが売掛債権証券化です。本記事では売掛債権証券化とは何か、メリット・デメリットやファクタリングとの比較情報などを分かりやすく解説して参ります。

売掛債権証券化とは?

fainance

売掛債権証券化とは、売掛債権を証券として投資家に発行する特定法人団体「SPV」に譲渡し、資金を受け取るという方法のことです。

ファクタリング同様に売掛債権の支払い期日を短くすることができ、必要な資金を手にすることができます。

そもそも証券化とは、資金を必要とする企業が保有している資産などから生まれるキャッシュフロー(収益)を担保として、資金調達する手段のことを指します。

売掛債権は貸借対照表(バランスシート)上では資産に分類されるため、証券化によって現金化することが可能です。

また売掛債権証券化を行う特定法人団体「SPV」とは企業から譲渡された売掛債権を、企業の信用力を担保にして証券を発行し、投資対象とする業務を担っている企業のことです。

簡単に言ってしまえば、「SPV」は企業と投資家を繋ぐ仲介業者とも言い換えることができます。売掛債権証券化はSPVを通じてでしか行うことができません。日本国内でSPV事業を担っている企業と言うと、「楽天信託」などが挙げられます。

売掛債権証券化のメリットは?

笑顔の女性

売掛債権証券化のメリットとしては、以下の3つが挙げられます。

  • 売掛債権の早期現金化ができる
  • 会計上は負債に計上されなくなる
  • リスクが小さい

順に解説して参ります。

メリット①売掛債権の早期現金化ができる

売掛債権を証券化することで、ファクタリング同様に債権の支払い期日までに資金調達をすることができます。

そのため急な支払いに差し迫られたときなどに、活用することが可能です。

メリット②会計上は負債に計上されない

売掛債権は流動資産に分類されるため、証券化することで「貸借対照表(バランスシート)」の資産の部から外す(=オフバランス )することが可能です。

オフバランス化をすることで純資産利益率(PDA)の向上に繋がります。

結果として株価が上がったり、融資の際の審査に優位に影響することが期待できます。またキャッシュフローの改善という側面もあり、キャッシュに余裕を持たせることも可能です。

【関連記事】ファクタリングでオフバランス化が可能!企業価値を高めよう!

メリット③リスクが低い

売掛債権証券化を利用するにあたり、取引先の倒産などで売掛金が支払われずに投資家への元利金の返済が不能になってしまうリスクを心配する経営者の方もいらっしゃるかもしれません。

しかしながら売掛債権証券化では、もしも投資家への返済ができなくなってしまった場合でも、返済する義務があるのは元金だけで、利子の返済は不要と決められています。

よって売掛債権証券化で失うリスクがあるのは原資産(売掛金)だけであり、金融機関からの融資などに比べてローリスクであると言えます。

売掛債権証券化のデメリットは?

iPhoneとラップトップ

売掛債権証券化にはメリットだけでなく、デメリットも存在します。

具体的には

  • 売掛先からの信用を失う
  • 法務局で登記を行う必要がある
  • 実際に売掛債権が証券化されるケースはほとんどない

といったことが挙げられます。

以下で順に詳しく見ていきましょう。

デメリット①売掛先からの信用を失う

売掛債権証券化の際には、売掛先(取引先)に債権を「SPV」に譲渡をする旨の承諾を得る必要があります。

また取引先に対して振込口座の変更を求めなければいけないこともあり、混乱が生じてしまうかもしれません。

さらに資金繰りに困っているということを取引先に知られてしまうため、売掛先からの信用を失ってしまう恐れがあります。

そのため売掛債権証券化の申し出後に、取引先との契約を打ち切られてしまうケースは珍しくありません。

デメリット②法務局で登記を行う必要がある

売掛債権証券化の際には、法務局で債権を譲渡する旨に関して登記を行う必要があります。

これは債権譲渡登記制度で決められていることであり、債権譲渡の対抗要件の際に必須となります。

手続きは煩雑になることもあるため、えてして避けられがちです。

デメリット③実際に売掛債権証券化が行われるケースは少ない

売掛債権証券化は立派な企業の資金調達法ですが、実際に行われるケースはかなり稀です。

理由としては

  •  証券化したとしても買い手(投資家)が集まる保証がない
  • 売掛金の半金以下の額しか得られない場合がある
  • 売掛先からの承諾が得られない
  • ファクタリングの方が有用である

といったことが挙げられます。

ファクタリングと売掛債権証券化を比較!

ファクタリングと売掛債権証券化は似たような金融サービスですが、全くの別物です。

まず売掛債権証券化では債権が未回収になった場合などに投資家に対して元金の返済を行わなければいけませんが、ファクタリングはノンリコースであるため債権未回収時のリスクがありません。

また得られる額に関しても、売掛債権証券化では不透明ですがファクタリングでは3%~20%と予め明示されています。

【関連記事】ファクタリング手数料の相場

加えて資金化スピードでは、売掛債権証券化が1週間程度ようするのに対してファクタリングは最短即日です。

【関連記事】即日でファクタリングが可能な仕組みと利用方法を解説

さらに2社間ファクタリングならば、取引先に債権譲渡通知をする必要がなく、資金調達後も円満なビジネス関係を続けることができます。

【関連記事】ニーズが高まる2社間ファクタリングのメリット

まとめ!

売掛債権証券化は特定法人団体「SPV」を利用して売掛債権を証券化することによって、資金調達をする方法のことです。

  • 売掛債権の早期現金化ができる
  • 会計上は負債に計上されなくなる
  • リスクが小さい

といったメリットがありますが、現実的に売掛債権証券化が行われるケースはほとんどなく、実用性は極めて低いと言えるでしょう。

そこで資金繰りにお悩みの際には、同じ売掛債権を活用するファクタリングを利用することを推奨します。

ファクタリングは近年、有用な金融サービスとして広く認知され始めていますが、新興サービスが故に悪徳業者も少なからず存在しています。

そのため当サイトが厳正な調査を行い優良ファクタリング会社と認めた業者を利用するようにして下さい。