ファクタリングでオフバランス化が可能?仕訳方法やメリットを詳しく解説!

「ファクタリングで『オフバランス化』が可能」という話を耳にしたことは無いでしょうか。

経営者の方であればご存じのとおり、貸借対照表(バランスシート)のバランスを良くすることは、企業価値を高める重要なファクターとなります。

しかし、ファクタリングでそれが可能というのはどういうことだろう?と疑問に思った方もいるのではないでしょうか。

本記事では、「ファクタリングがどういう方法かを知っている」ことを前提として、資産のオフバランス化の仕組み、及びファクタリングの仕訳方法について解説していきます。

資産のオフバランス化が可能!オフバランス化とは?

資産のオフバランス化とは?資産のオフバランス化、というのは「貸借貸借対照表(バランスシート)」の資産の部から債権を外し、総資産額を減らすことを指します。

これにより、総資産額は減りますが利益は変わりませんので、結果として純資産利益率(PDA)の向上につながります。

とはいえ、ただ会計上の数字が良くなっただけではあまりメリットがないのでは?と思う方もいるでしょう。

実は、企業というのは同じ利益ならより総資産が少ない会社のほうが、すぐれた経営をしていると判断される傾向にあります。

会計上、収支のバランスは非常に重要です。PDAが高いと株価や、審査時の評価にも影響するため、経営上の影響は少なくありません。

債権のオフバランス化を行うことで企業価値を高める

そもそも、債権はできるだけ早くキャッシュに換えるに越したことはなく、いつまでも保有しておくものではありません。

キャッシュフローの悪化に繋がるだけでなく、保有期間が長ければ長いほど、不渡りリスクは比例して上がっていくためです。

ファクタリングによってリスクを早めに切り離し、キャッシュの負担を軽減するのは財務戦略上合理的な手法といえましょう。

ところで、資金調達というと、融資や出資をはじめとする「直接金融」に目が行きがちですが、真に重要なのは手持ちの資産の取り扱い方。

キャッシュインのスピードを高め、企業価値を高めていくことが安定した経営に繋がります。

これが、ファクタリングが会計上どのようなメリットがあるか、という疑問に対する回答となります。

それでは、続いてファクタリングが会計上、どのように扱われるかを解説していきましょう。

オフバランス化のメリット

オフバランス化のメリットを解説!上述した「オフバランス化のメリット」をまとめると、以下のようになります。

  • キャッシュに余裕を持たせることが可能
  • 企業価値が上昇し、融資を受ける際に有利になる

オフバランス化を行ううえでもっとも大きなメリットは、まず「キャッシュフロー改善」、次に「純資産利益率の上昇&企業価値の上昇」です。

どちらも安定した経営には欠かすことができず、特にキャッシュに余裕を持たせることは、黒字倒産という最悪の事態の回避にも繋がります。

会社経営では、支払いが1日遅れただけで事実上倒産してしまうことも珍しくありません。

ですから、常にキャッシュフローの改善と、余裕を持たせておくことは重要なのです。

さて、オフバランス化についてと、ファクタリングでオフバランス化を図るうえでのメリットをそれぞれ紹介していきました。

では、続いて具体的にファクタリングをする際はどのように仕訳していくのかを説明していきます。

ファクタリングの会計上の仕訳

ファクタリング、会計上の仕訳方法!

ファクタリングをする前と後の会計上の違いは、実のところ「債権」が「預金」として記録されるようになるだけです。

複雑ではありませんので、実例を元にしながら把握していきましょう。

売掛金を未収金(未収入金)に換えて計上する

まず、ファクタリングする前の売掛金は、借方科目を「売掛金」、貸方科目を「売上」として計上します。

例えば、ファクタリングで2,000万円の売掛債権を売却することになったとします。

ファクタリングを行う前、すなわち通常どおりの会計は以下のようになります。

資産の部(借方)科目 借方金額 負債の部(貸方)科目 貸方金額
売掛金 2,000万円 売上 2,000万円

この売掛金を、ファクタリング(売掛債権現金化)によって、未収金という扱いでの計上に変更します。

資産の部(借方)科目 借方金額 負債の部(貸方)科目 貸方金額
未収金 2,000万円 売掛金 2,000万円

未収金(未収入金)とは、平たく言うと「代金を受け取る権利」のことです。売掛金も扱いとしては同じものですが、実はこうした違いがあります。

  • 売掛金:営業取引で発生したもの
  • 未収入金:営業取引以外の取引で発生したもの

つまり、本業での収入は売掛金になり、ファクタリングは本業で得るお金ではないので、未収入金という扱いになるのです。

ここまでが、ファクタリング依頼前と、ファクタリング契約締結時の仕訳方法です。

ここから、実際にファクタリングを実行して入金された後の仕訳を見ていきましょう。

未収金を普通預金に、手数料分を売掛債権売却損として計上する

ファクタリング契約を締結すると、売掛金が未収金という扱いになります。金額は変わりません。

では、さきほどの2000万円を手数料5%(100万円)でファクタリングしたとしましょう。

ここから、実際に入金されたあとの仕訳はこうなります。

ここで重要なのが、手数料の存在です。手数料分は、「売掛債権売却損」として別で計上しなくてはなりません。

資産の部(借方)勘定科目 借方金額 負債の部(貸方)勘定科目 貸方金額
預金 1,900万円 未収金 2,000万円
売掛債権売却損 100万円

そうすると、このように計上されることになります。これが、最終的なファクタリングの仕訳となります。

 

なお、もし会計ソフトを使っていてそうした項目が無い場合は、「雑損失」などで計上しても問題ありません。

それで、手数料分を引いた金額を普通預金、貸方を未収金にすることで、ファクタリングの仕訳は完了します。

割引料で計上してもOK

ちなみに、手数料(売掛債権売却損)は、手形割引をあらわす「割引料」として計上しても問題ありません。

資産の部(借方)勘定科目 借方金額 負債の部(貸方)勘定科目 貸方金額
預金 1,900万円 未収金 2,000万円
割引料 100万円

仕組み的にはそれほど違いがなく、扱いとしても同じようなもの=名称が違っていても影響が出ないためです。

 

上記が、ファクタリングを仕訳する際の方法となります。このように、売掛金を普通預金あるいは現金として計上してしまうことで、流動資産を処理することが可能となるのです。

ちなみに、これはファクタリングだけでなく、すでにある資産を現金化する(デット・ファイナンス)方法すべてに共通しています。

「売掛債権流動化」では扱いが少々異なる

なお、ファクタリングは売掛債権を使って資金調達する「売掛債権流動化」手法の一つですが、他の手法と会計処理は異なります。

たとえば、売掛債権をローンにして融資を受ける「売掛債権担保融資」は、会計処理が銀行融資と変わりありません。

融資にあたるのか、資産の売却にあたるのかによって、計上すべき科目は異なってきます。「売掛債権担保融資」のように、融資を売却として計上してしまわないように気をつけましょう。

さて、ここまで「オフバランス化」の概要とメリット、計上方法について解説していきました。

これで、ファクタリングの会計処理をどうすればいいのか、などの疑問は解決できたのではないかと思いますが、それでは最後にまとめとして「中小企業がファクタリングを活用すべき理由」について述べていきましょう。

中小企業がファクタリングを活用すべき理由

中小企業がファクタリングを活用すべき理由!中小企業がファクタリングを活用すべき理由は、以下の通りです。

  • 融資枠を増やさずに資金調達ができる
  • 今後の融資に好影響が出る

それぞれ簡単に解説していきましょう。

融資枠を増やさずに資金調達ができる

言わずもがな、今ある融資枠を使わずに資金調達できるのはメリットです。少額の資金調達ニーズがあり、とはいえ融資を受けるほどではない…という時に活用することで、調達を成功させつつ今後の融資に活かすことが可能です。

今後の融資に好影響が出る

本記事でもっとも伝えたいことが、この「ファクタリングを行うことで、今後の融資にはむしろ好影響になる」という点です。

理由として、ファクタリングを行うことで流動資産が資産の部から外され、貸借対照表(バランスシート)の純資産利益率(ROA)が向上するため、会社の評価アップにつながるためです。

評価が上がれば株価も上がり、結果として審査の評価もよくなるという流れです。これを覚えておくことで、ファクタリングが状況によっては活用すべきということが見えてくるでしょう。

まとめ

パソコンのキーボード「ファクタリングで『オフバランス化』ができるってどういうこと?」という疑問についての回答を以下にまとめました。

  • 売掛債権は、入金されるまでは「流動資産」として、資産に計上される
  • ファクタリングを行うことで、流動資産が現金に変換されて計上されるため、企業としての「純資産利益率(ROA)」が向上
  • 企業を評価する際は、貸借対照表のバランスをとても重要視できるため、純資産利益率は必然的に企業価値、ひいては銀行融資にも影響が生じる

→つまり、ファクタリングを行うことで今後の融資に少なからず良い影響を及ぼす

という流れになります。

ですから、ファクタリングについて時たま噂される「銀行融資に悪影響が出る」ということは事実ではないということになります。

とはいえ、ファクタリング1回でそこまで大きな影響を及ぼすわけではありませんので、あくまでこのような副作用があるということだけ覚えておくとよいでしょう。

また、先ほど述べたとおりファクタリングは「売掛金」を一度「未収金」に換え、その後入金されたら「普通預金」になる、という計上の仕方でOKです。

複雑な会計処理はまったくない、という点にも注目すると、ファクタリングはそこまで警戒すべきものではないということに繋がるのではないかと思います。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事