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留保金とはファクタリング時に債権が未回収となることに備えた預かり金のことです。

ファクタリング契約時には、留保金が発生するということに注意しなければいけません。

留保金は手数料とは全く別であり、ファクタリング契約後入金される金額は手数料と留保金が引かれた金額となります。

本記事では留保金とは何か、具体的な相場や高い留保金を要求してくる悪徳ファクタリング会社の注意点を解説して参ります。

留保金とは?

豚の貯金箱

留保金とは、簡単に言えばデポジット(預かり保証金)のようなものです。

ファクタリング利用後に、もしも売掛債権が回収できなかった事態に備えて、ファクタリング会社に支払うお金です。

ファクタリング契約時に、利用企業はファクタリング会社に留保金を支払います。

売掛先から、無事に債権が回収できた場合に、留保金がファクタリング会社から利用企業へと返還されるようになっています。

つまり留保金は、ファクタリング利用後に利用企業が支払いを拒否したり、行方をくらませてしまうことも防止している意味があるのです。

ファクタリングの留保金はいくら?相場はどのくらい?

ファクタリングにおける留保金は、売掛債権の20%程度が相場です。

例えば100万円の売掛債権の場合、20万円は留保金としてファクタリング会社に支払う必要があります。

ただ留保金は売掛先の信用情報によって上下します。

長年の取引関係にあり、信用力が高い売掛先であれば、交渉次第で留保金の金額を下げてくれることもできます。

また債権が回収できなくなる可能性が高い2社間取引の方が、持ち逃げ防止のため、留保金は高くなる傾向があります。

留保金は手数料に含まれないので要注意!

留保金は、デポジットであるため、ファクタリングの手数料には含まれません。

そのためファクタリング契約後、ファクタリング会社から支払われる金額は手数料と留保金が引かれた金額となります。

留保金の存在を知らずにファクタリング契約をしてしまうと、入金された金額が少ない…という事態になってしまいます。

また売掛先からの支払いが数ヶ月後である場合、留保金が返還されるのにも、時間がかかります。

もしもファクタリングで得られる金額をアテにしていた場合、追加で資金調達をしなければいけない羽目になりますので、留保金がいくらになるのか、事前に引かれるということをしっかりと頭に入れておくようにしてください。

【関連記事】ファクタリング手数料の相場と内訳を分かりやすく解説

ファクタリング手数料・留保金の計算例

電卓の計算

それでは次に、ファクタリング契約によっていくらの金額を調達できるのか、実際のケースを元に計算してみましょう。

ファクタリングにかかる手数料の相場については、別記事をご参照ください。

ケース①

  • 保有売掛債権:300万円
  • ファクタリング取引方法:3社間取引
  • ファクタリング手数料:7%
  • 留保金:18%

上記のような事例では、ファクタリング契約後にファクタリング会社から支払われる金額は

300万円ー{300万円×(7%+18%)}=225万円

ということになります。

後日、売掛先からファクタリング会社に売掛金が入金されると、留保金である54万円が返還されます。

*3社間取引ですので、売掛先がファクタリング会社に直接、支払いをします。

ケース②

  • 保有売掛債権:250万円
  • ファクタリング取引方法:2社間取引
  • ファクタリング手数料:16%
  • 留保金:23%

上記のようなケースでは、ファクタリング契約後にファクタリング会社から支払われる金額は、

250万円ー{250万円×(16%+23%)=152万5000円

となります。

2社間取引ですので、ファクタリング会社への支払いは利用企業が行います。

後日、ファクタリング会社へ支払いをするときは留保金を差し引いた金額を支払います。

実際に支払う金額は、

250万円ー(250万円×23%)=192万円5000円

です。

留保金を悪用する悪徳ファクタリング会社に要注意!

怪しい計算

残念ながら、ファクタリング会社の中には利用企業を喰い物にする悪徳会社が存在します。

彼ら悪徳会社の手口として代表的な方法が、「留保金の悪用」です。

具体的な手口は以下の通りです

  • 留保金を多く請求する
  • 留保金が返還されない

悪徳業者は契約書や口頭説明をわざと複雑にし、手数料と留保金を同時に請求してくることがあります。

留保金と手数料の境を分かりづらくし、結果的に多額の手数料を騙し取られていたということは、実際にあった例です。

また売掛債権の一部しか、回収できなかったなどと嘘をつき、留保金を返還しない、一部しか返還しないという詐欺手段もあります。

2社間取引であれば、利用企業がファクタリング会社へと支払いをするので、このような嘘に騙されることはありません。

ただ問題は売掛先が直接、ファクタリング会社へと支払いをする3社間取引です。

この場合、売掛先がきちんと満額、売掛債権をファクタリング会社へと支払ったのかどうか、確認するようにしてください。

【関連記事】ファクタリングの悪徳業者を見分けるポイントと対策

留保金は違法?担保になる?

留保金は、現在のファクタリング契約において必ずと言っていいほど存在します。

ただファクタリングは貸付ではありません。

そのため留保金は「担保」に該当し、ファクタリングが「担保融資」になるのではないかとういう指摘もされています。

実は、過去に買い戻し条項をつけたファクタリング契約が、売掛債権を担保にした融資であると最高裁が判断した例が存在します。

その際には、売掛債権を買い取る際には貸倒となった場合のリスクについても背負わなければならないとうことが指摘されています。

留保金をつけることは、貸倒になった場合のリスクを100%背負っているとは言えません。

現在のところは留保金をつけることは違法ではありませんが、高額な留保金を要求すると担保に見なされる可能性があります。

前述の通り、留保金の相場は20%前後です。

これ以上の留保金を請求された場合は、悪徳業者である可能性が高いため、注意するようにしましょう。

まとめ

勉強部屋

留保金とはファクタリング時に債権が未回収となることに備えた預かり金のことです。

ファクタリング契約時には、留保金が発生するということに注意しなければいけません。

留保金は手数料とは全く別であり、ファクタリング契約後入金される金額は手数料と留保金が引かれた金額となります。

留保金は取引先の与信情報によって左右されますが、債権金額の20%程度かかります。

またファクタリング契約時に留保金を高く設定してくる業者も存在しますので、注意が必要です。

留保金は担保に当たるのではという指摘があり、ファクタリング契約自体が融資に見なされてしまう可能性があります。

そのため高い留保金を要求してくるファクタリング会社に、利用の際にはご注意ください。