「ファクタリングで債権を買い取ってもらおうとしたが、審査に落ちてしまった…」
「ファクタリングを利用する前に、審査に落ちたくないから落ちる原因を知りたい」
ファクタリングを検討する際、果たして審査に通るのか不安な方は少なくないでしょう。
ファクタリングは融資に比べて遥かに審査通過率が高いと言われますが、それでも事業者によっては審査落ちになってしまうケースが多々あります。
そこで本記事では、
- ファクタリング審査で重要視されるポイント
- 2社間、3社間の審査通過率はどのくらいか?
- ファクタリング審査に落ちる7つの原因
を詳しく解説していきます。
目次
ファクタリングは銀行融資やビジネスローンの審査に落ちても利用できる
ファクタリングを利用する際には審査があります。
それでもファクタリングの審査のハードルは一般的に通過率3割程度と言われるビジネスローンや銀行融資と比べると、遥かに低いものです。
そのためビジネスローンや銀行融資の審査落ちになったという事業者の方でも、ファクタリングを利用することができます。
その理由としては、ファクタリングが「融資ではない」ということが挙げられます。
銀行融資やビジネスローンでは、債務者の返済能力が重視されるため、企業の業績や借入情報などが厳しく審査されます。
一方のファクタリングは融資ではないので、利用者の返済能力は重要視されません。
したがって赤字業績や税金滞納、債務超過を起こしてしまっていても、問題なくファクタリングを利用することが可能です。
ファクタリングの審査で重視されるポイント
返済能力が重視されない一方で、ファクタリングの審査では売掛金の回収リスクが重点的に審査されます。
そのためファクタリングの審査時では
- 売掛先の業績(倒産などで売掛金が支払われなくなることを防ぐため)
- 売掛金の支払い実績(支払いの滞納などが無いか)
- 申込者の信頼性(二重譲渡をしないか・譲渡した債権の使い込みをしないか等)
ファクタリングの審査通過率は?
続いてファクタリングの大まかな審査通過率を見ていきましょう。(*下記の通過率はあくまでも目安であり現状の通過率と必ずしも一致しているわけではないのでご注意ください。審査通過率は売掛金の種類や取引先によっても上下します。)
- 2社間ファクタリング:約7〜8割
- 3社間ファクタリング:約8〜9割
2社間ファクタリングの方が、売掛金の回収リスクは高くなるため、3社間ファクタリングに比べると審査通過率は低くなります。
一方の3社間ファクタリングは取引先がファクタリング会社に支払いをするため、審査通過率は高くなります。
しかしながら、この数字はあくまでもファクタリング会社の審査通過率です。
3社間ファクタリングの場合は、審査に通過後、取引先から債権譲渡承諾を得る必要があります。
取引先から債権譲渡を拒否されてしまう可能性も十分にあり、実際に3社間ファクタリングが利用できる割合は、上記よりもやや下がると考えた方がいいでしょう。
個人事業主の方のファクタリング審査
個人事業主の方は法人に比べると信用が低く、債権譲渡登記が行えないため、個人事業主の方の利用を拒否するファクタリング会社も少なくありません。
ただ個人事業主の方でも、取引歴が長い売掛金で、売掛先の会社の信頼性が高ければ、審査可決とするファクタリング会社も増えつつあります。
個人事業主の方の場合は、やや審査が厳しくなると考えられますが、それでも必ず審査落ちになってしまうわけではありません。
個人事業主の方で、ファクタリングの利用を検討されている方は、「個人事業主対応可」と明記しているファクタリング会社を利用しましょう。
ファクタリング審査に落ちる7つの原因(2つ追記)
続いてファクタリング会社に申し込みをしたのに、審査落ちになってしまう理由を詳しく解説して参ります。
具体的には、以下の点が考えられるでしょう。
- 売掛先の経営不振
- 再建に譲渡禁止特約が設定されている
- 売掛先との取引歴が浅い
- 支払いサイト(支払いまでの期間)が長い
- 売掛債権の金額(上限額以上や少ない金額)が取り扱い金額に対応していない
- 虚偽の申告や債券の二重譲渡が発覚した
- 依頼者の誠実さが欠けている
それでは、詳しく解説していきましょう。
1.売掛先の経営不振
前述の通り、ファクタリングの審査で最も重視されるのは、
「売掛金の回収リスク」
です。
仮に売掛先の業績が悪いと、倒産などで売掛金が回収できない可能性があります。
ファクタリング契約は「ノンリコース」がメインです。
売掛金が回収できなくてもファクタリング会社は利用企業に弁済を要求することができません。
したがって売掛先の支払い能力に不安があると判断された場合には、審査落ちとなってしまいます。
2.債権に譲渡禁止特約が設定されている
債権に譲渡禁止特約がある債権は、ファクタリングは不可能となります。
そのためファクタリングを利用する前には、売却したい債権が譲渡禁止でないかどうかは必ず確認しておかなければいけません。
特に大手企業相手の売掛金や、クレジットカード債権には譲渡禁止特約が付帯していることが多々あります。
ただ2020年4月より、改正民法が施行されることで、譲渡禁止特約が付帯している売掛債権でも、ファクタリングが可能となります。
3.売掛先との取引歴が浅い
付き合いが長く、毎月一定の金額が支払われている売掛債権は、回収リスクが低いと見なされ、ファクタリングの審査に有利となります。
一方で取引歴が浅い売掛先では、確実に支払いが行われるという確実性に欠けるためファクタリングの審査に落ちてしまう可能性が高くなります。
特に単発契約の売掛債権をファクタリングする場合には、注意してください。
4.支払いサイト(支払いまでの期間)が長い
ファクタリング会社からすると、支払いサイトが長い売掛金を買い取るということは、長期的にキャッシュ不足になる可能性があります。
そのため資金力に乏しいファクタリング会社の場合、支払いサイトが長い売掛債権での申し込みは、審査落ちにします。
支払いサイトが長い売掛債権をファクタリングする場合には、ファクタリング会社の経営規模をチェックしましょう。
5.売掛債権の金額(上限額以上や少ない金額)が取り扱い金額に対応していない
数十万円単位の比較的少額な売掛債権ですと、買取をしても利潤は少なくなります。
そのためファクタリング会社によっては、小口債権での申し込みは審査落ちにします。
一方で数百万円単位の大口債権の場合、やはり経営規模が小さいファクタリング会社は買取りができません。
また大口債権の買取後、支払いがあるまでにファクタリング会社のキャッシュフローが悪化し、黒字倒産の危機に陥ってしまうことも考えられます。
つまりは小口債権でも、大口債権でも同じくらい審査落ちになる可能性があります。
ファクタリング会社に申し込みをする前には、売掛金の金額とファクタリング会社の買取対応金額をチェックしましょう。
6.虚偽の申告や債権の二重譲渡が発覚した
ファクタリング会社は信販会社などと同様に、審査の際は信用情報機関を使って調査を行います。
つまり、いくら虚偽の申告をして審査結果を良くしようとしても、ファクタリング業者は正確な情報を手にできるため必ず発覚してしまいます。
当然ながら、虚偽申告をすると審査落ちになってしまいますので、絶対に控えましょう。
また同一の売掛債権を複数のファクタリング会社に売却することは、「二重譲渡」と言い、こちらも禁止されています。
債権の二重譲渡は債権譲渡登記を調べれば、誰でも把握することができます。
資金繰りに窮しているからといって、くれぐれも債権の二重譲渡はしてはいけません。
7.依頼者の誠実さが欠けている
ファクタリングを利用する側の、信頼性・誠実さもファクタリング審査では重要視されます。
事業者によっては、売掛債権を二重譲渡したり、債権を横領したりすることがあります。
ファクタリング契約の際に、要面談としているファクタリング会社が多いのはそのためです。
対面契約をすることによって、利用者の信頼性などを測っているのです。
不正を働く人物ではないか、ファクタリングの審査時にはビジネスパーソンとしての信頼性も重視されますので、契約は真摯な態度で臨むようにしてください。
まとめ:ファクタリングの審査落ちを防ぐ方法
ファクタリングの審査は、
「売掛先の与信」>「依頼者の信頼性」>「依頼者の経営状況」
の順番で重要となってきます。
これに加え、キャッシュフロー改善のプラン、それに伴う希望買取額が現実的かなどもチェックされます。
またファクタリング契約の際には、必要書類を不備なく用意をし、虚偽申告や二重譲渡は厳禁です。
売掛先の信用情報に不安がある場合でも、ビジネスパーソンとして信用に値すると判断されれば、審査に通る可能性は高くなります。
またファクタリングの審査が不安な方は、
◉支払いサイトが短い売掛債権
◉数十万円~100万円程度の売掛債権
◉支払い実績がいい売掛債権
◉取引歴が長い売掛債権
の買取を依頼するといいでしょう。
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