同一のファクタリング会社を継続利用することにはメリットもありますが、同時に注意点やデメリットも存在します。
本記事ではファクタリングを賢く継続利用する方法や、ファクタリングのデメリットである手数料を低く抑える方法を分かりやすく解説して参ります。
目次
ファクタリングを継続利用するメリット
同一ファクタリング会社を継続して利用するメリットは以下の通りです。
- ファクタリング会社からの信用力が上がる
- 手数料が低くなる
- 初回時よりも入金スピードが速くなる
詳しく解説して参ります。
①ファクタリング会社からの信用力が上がる
ファクタリングは融資とは異なり、厳格な審査がありません。
審査で重要視するのは、売掛債権や売掛先の経営状況などです。
しかしながらファクタリング利用企業が売掛金を使い込んでしまったり、他の返済に使用してしまう可能性はゼロではありません。
そのためファクタリング審査時に、利用企業に関しては会社としての信用ではなく、寧ろ個人としての人間性を重視して審査が行われます。
これは言うまでもなく、契約を破ることなくちゃんと履行するか(=売掛金の支払いを行うかどうか)が重要だからです。
ですが、継続的にファクタリング会社を利用することで「経営者としての信用」が積み上がります。
ファクタリング利用中にトラブルを起こすことなく、支払いを行う経営者であるということが分かれば、ファクタリング会社からの信用が増します。
ファクタリング会社としても、貸倒リスクが低くなるためよりより取引関係を築くことができるのです。
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②ファクタリングの手数料が低くなる
ファクタリングの最大のデメリットは、手数料がかかるという点にあります。
2社間と3社間取引を通じて、3%から30%程度の手数料が発生します。
ファクタリングの手数料は売掛金額などによって変動しますが、利用企業への貸倒リスクも手数料を決定する大切な要因です。
ファクタリングの手数料は貸倒リスクも加味した上での料率であり、信用力が低いと見なされれば手数料はその分、高くなります。
しかしながら、継続利用をしてファクタリング会社からの信用力をあげる事によって、手数料を低くしてもらうことが可能です。
具体的には、2社間取引の場合で3%前後も手数料が低くなると期待できます。
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③初回時よりも入金スピードが速くなる
初回利用時には、会社情報を説明できる書類や税金や社会保険の関係書類など、用意すべき書類が多くなります。
加えてファクタリングの方法や契約方法などについて仔細な説明が行われるため、どうしても時間がかかってしまいます。
しかしながら継続利用の場合には必要書類が少なくなり、またファクタリングに関する説明も省略されます。
そのため初回利用時よりもファクタリング契約にかかる時間が短縮され、最短即日での資金調達が可能です。
ファクタリングはスポットでの利用がベスト
ファクタリングを継続利用する事には、上記のようなメリットがあります。
しかしながら本来、ファクタリングは継続利用するものではなく可能である限りはスポットでの利用がベストな選択です。
その理由はファクタリングにかかる手数料にあります。
手数料の分、本来得られるはずであった売掛金額は少なくなってしまいます。
当月は乗り越えられるかもしれませんが、翌月以降は経営を圧迫してしまうのです。
ファクタリングにかかる手数料を金利に置き換えた場合は、銀行融資などよりは遥かに高金利となってしまう点にも注意が必要でしょう。
したがってファクタリングを利用する場合は、急な資金ショート時や来月以降は安定した収益が見込めるケースのみに留めましょう。
継続利用するほどファクタリングで資金調達しなければならないという経営状況は、確実に良いことではありません。
売掛金回収のアウトソーシングとしての利用方法もある
ファクタリングは欧米で誕生した金融サービスですが、本来の活用方法は日本のものとは意味合いが異なります。
日本でいうファクタリングは売掛債権を使った資金調達です。
一方で欧米で普及しているファクタリングは「売掛債権に関する業務のアウトソーシング」となります。
つまりファクタリング会社に売掛債権を譲渡する事によって、
- 売掛債権の管理する
- 売掛債権の回収業務
- 請求書の管理・作成
- 取引先の与信管理
といった諸々の業務をファクタリング会社に委託してしまうのです。
手数料はかかりますが、上記の業務にかかる人件費やコストは抑えることができます。
「売掛債権に関する業務のアウトソーシング」というファクタリングの活用方法はまだまだ日本では馴染みがありませんが、少しづつ利用企業も増えています。
このような使い方であれば、ファクタリングを継続利用する価値は多いにあるでしょう。
手数料を抑えるのであれば3社間取引がオススメ!
継続利用するには割高なファクタリングの手数料を抑えるには、3社間取引を推奨します。
3社間取引とはファクタリング会社と利用企業、さらに売掛先を交えてファクタリング契約を行うという方法です。
売掛先から債権譲渡の承諾を得る必要がありますが、ファクタリング会社への入金は売掛先が直接、ファクタリング会社に支払います。
そのため貸倒リスクや売掛金の使い込みといったリスクを抑えることができ、3社間取引は2社間取引よりも手数料が低くなります。
2社間取引の手数料の相場が10%~30%であるのに対して、3社間取引では3%~10%と、その差は歴然です。
したがって手数料を抑えてファクタリングを実行したいのであれば、3社間取引によるファクタリングを推奨します。
ただ売掛先から債権譲渡の承諾を得る必要があることや、時間がかかってしまうという欠点がある事には注意してください。
特に売掛先からの信用を失ってしまう可能性が高く、実際に3社間取引が行われるのは稀という実情もあります。
他社への乗り換えで手数料が低くなるケースもある
今ご利用中のファクタリング会社の手数料に不満がある場合、他社へと乗り換える事で、ファクタリング手数料が低くなることがあります。
群雄割拠のファクタリング業界では、少しでも顧客を獲得しようと多くのファクタリング会社は「他社からの乗り換えキャンペーン」を行なっています。
乗り換えキャンペーンを利用することで、初回利用客に限り手数料が低くなったり、キャッシュバックがあったりと様々な特典を受けることができます。
また、一度ファクタリングの利用経験があればファクタリング契約をスムーズに行うことができますし、手数料交渉をしやすいという利点もあります。
ただ乗り換え時には注意点もあり、次に解説していきましょう。
①売掛債権の二重譲渡に注意!
前の業者と契約中である場合は、別の売掛債権をファクタリングに利用しなければいけません。
もしも一度売却した売掛債権を再び、ファクタリングしようとすると「二重譲渡」になってしまいます。
特に債権譲渡登記が不要な2社間取引の場合、気づかずに二重譲渡を行なってしまう可能性があります。
これを避けるためには、前のファクタリング会社との契約が終わった後に別の会社と契約をするようにしましょう。
【関連記事】ファクタリング契約時の架空債権と二重譲渡は絶対禁止
②以前に利用していたファクタリング会社にバレる可能性がある
債権譲渡登記を行なってファクタリング契約を結ぶ場合、法務局にて概要記録事項証明書を取得することで、債権譲渡をしているか(=ファクタリングを利用してるか)を知ることができます。
そのため他社への乗り換えをしたことが、前のファクタリング会社に判明してしまう可能性があります。
ファクタリング会社を乗り換えることは、利用側の権利ですが、ファクタリング会社からの心証は良いものではないでしょう。
まとめ
ファクタリングを継続利用するメリットは多数存在します。
ですが、ファクタリングはそもそも継続利用するものではない、ということも合わせて留意しておくようにしてください。
ファクタリングを繰り返し利用すると、手数料の分、必ず経営は逼迫されてしまいます。
そのためファクタリングを利用する前には、中長期的なキャッシュフロー改善策を出してから、ファクタリングを実行するようにしてください。
それでもファクタリングを実行する場合には、手数料が低い3社間取引を利用する、他社への乗り換えを検討するなどの、工夫をしてみましょう。
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