給料ファクタリングの注意喚起

金融庁や日本ファクタリング業協会、また日経新聞などの各機関・メディアが給料ファクタリングに対して、どのような意見を述べているか、調査してまいりました。

給料ファクタリングの危険性、違法性などを知りたいという方はご参考にしてください。

給料ファクタリングに関する各機関からの注意喚起・お知らせ情報

給料ファクタリングに関する各機関の声明や注意喚起などをまとめます。

金融庁

金融庁のファクタリングに対する注意

金融庁はクレジットカード現金化や個人間融資などの危険性については注意喚起を行なっています。

ただ現時点では(2020年3月)、給料ファクタリングに関しては特に触れていません。

ただ法人向けのファクタリングについては金銭の貸し借りではないため、貸金業の登録は必要ないとしつつも

「ヤミ金の可能性がある」

「実際には高金利の貸付に該当する」

という見解を述べています。

2. 違法な金融業者からの借入れに関する相談等

【相談事例等】
○ ファクタリング業者と名乗る者から、「借金をしないで資金調達が可能」との内容の勧誘文書がファックスで頻繁に送られてくる。これらの勧誘は信用できますか。

【アドバイス等】
近年、「ファクタリング」を装ったヤミ金融が横行しているとの報道等があることから、十分にご注意ください。

(中略)

このようなファクタリングの法定性質は、売買契約に基づく指名債権の譲渡であり、金銭の貸し借りではないので、貸金業の登録は必要ありません。

しかしながら、この「ファクタリング」とみせかけて、実際には、高金利で金銭を貸し付けている事例(具体的には、「ファクタリング」と称し、高額な手数料を差し引いて売掛債権の買取代金を支払う(貸し付ける)一方で、当該債権の管理・回収を自ら行わず、同債権の売り主をして売掛債権を回収させた後、回収した売掛金を原資として買取代金を返済させるもの)が発生しています。

金融庁「金等に関する相談事例等及びアドバイス等」より引用

消費者庁

消費者庁は悪徳商法から消費者を守り、消費者の保護、安全の確保などを遂行する行政機関です。

給料ファクタリングに関する相談事も受け付けているようですが別段、注意喚起などは促していません。

金融庁同様に、法人向けのファクタリングにのみ注意喚起を行なっています。

【注意喚起】
中小企業の経営者を狙い、売掛債権等を売却して資金を調達する「ファクタリング」を装って、貸金業登録のない業者が違法な貸付けを行っている事案が確認されており、金融庁で注意喚起をしています。

消費者庁のTwitterより

日本貸金業協会

日本貸金業協会とは、貸金業に関する問題を解決したり自主的規制を行う団体のことです。

日本貸金業協会はこれまでにも、実質的な貸金と見なされるモノに関して注意喚起を行なっています。

しかしながら給料ファクタリングに関しては、現時点では特別声明は出していません。

それでも法人向けファクタリングについては、注意喚起を行なっています。

中小企業の経営者を狙い、売掛債権を売却して資金を調達する「ファクタリング」を装って、無登録業者が債権を担保とした違法な貸付けを行っている事案が確認されています。

日本貸金業協会「注意喚起」

国民生活センター

国民生活センターとは、国民生活の安定および向上に寄与するため、国民生活に関する情報の提供及び調査・研究などを行う消費者のための独立行政法人です。

現状、給料ファクタリングに関する注意喚起は行なっていませんが、ヤミ金被害の相談などは受け付けています。

日本ファクタリング業協会

法人向けファクタリングの自主規制などを行う目的で設立された団体です。

給料ファクタリングに関しては、違法という見方を出しています。

給料ファクタリング業者の支払いに困った方に対して、弁護士紹介なども行なっています。

給料ファクタリングに関するニュース情報

続いてこれまでに、メディア等で取り上げられた給料ファクタリングに関するニュースをご紹介します。

①日経新聞

日経新聞の給料ファクタリングの仕組み

出典:日経新聞「給料ファクタリングご用心 狙われる前借り感覚」

給料ファクタリングが初めてニュースで取り上げられたのは、2019年の12月の日経新聞です。

給与を事実上の担保として資金を提供し、手数料を要求する「給料ファクタリング」の被害相談が相次いでいる。"融資"を持ちかけるSNS(交流サイト)投稿などを見て給料の前借り感覚で利用するケースが目立つ。金銭の貸し借りではないため利息制限はないが、金利換算では法外な手数料がかかるケースも多く、弁護士などが注意を呼びかけている。

消費者金融に詳しい小林孝志弁護士によると、ファクタリングは中小企業などが売掛債権を売却し、当座の資金を調達する手法。これを個人の賃金に当てはめたのが給料ファクタリングだ。現金がすぐに振り込まれるが、高額な手数料を請求される事例が多い。小林弁護士は「金利と異なり、手数料は法律で規制されていない。法の抜け穴をついた悪質な行為だ」と訴える。

(中略)

同協会の吉野利夫代表理事は「これまでは中小企業が持つ取引先への売掛債権を狙った悪質業者が目立っていたが、企業向けより少額のため回収しやすく、トラブルになっても弁護士や警察が対応に消極的な点に目をつけたようだ」とみる。

そもそも労働基準法は給与について原則直接支払いと定めており、債権譲渡された第三者への支払いを禁じている。雇用契約時の書面で給与債権の譲渡禁止を明記する会社もある。ただ、業者の大半は給与を支払う会社側に取り立てることはなく、給与を譲渡した事実が表に出ない例が多い。

仮にファクタリング業者への給与の譲渡が明らかになれば労基法違反に問われるのは会社側だ。また契約上は金銭の貸し借りに当たらないため貸金業法や利息制限法、出資法にも抵触しない。

日経新聞「給料ファクタリングご用心 狙われる「前借り感覚」」

日経新聞は給料ファクタリングは違法とは断定していませんが、それでも利用者に対して注意喚起を促しています。

②NHK解説委員室

NHKの給料ファクタリングに対する注意喚起

出典:NHK解説委員室

日経新聞と同時期に、NHK解説委員室も給料ファクタリングの解説・注意を促す記事を掲載しています。

【給料の「前借り」サービスとは、どういうものですか?】
ネットやSNS、スマホのアプリで、「給料を前借りできます」などと宣伝している、「給料ファクタリング」というサービスです。
(中略)

【でも、おカネを受け取って、給料がでたら支払う。これは借金ではないのですか・・?】
事業者は「違う」と言っているのです。あくまでも、勤め先から「給料を受け取る権利」を買い取る契約をしているので、「おカネの貸し借りではない」と言うのです。

(中略)

もともと、ファクタリングは、中小企業などが、商品などを納入した。その代金をあとで支払ってもらう権利(売掛債権)を売って、早めに代金を回収するというサービスが、一般的です。給料ファクタリングというのは、それを個人向けにした形をとっていますが、取引先にあたる勤め先には何も知らせず、2者の間でのやりとりをしていることが多いというのが、この問題に詳しい弁護士の指摘です。

【なぜ、借金ではないと言っているのですか?】

一方、給料ファクタリング事業者は、自分たちは、おカネを貸しているわけではないので、こうした規制の対象にはならないとしているのです。

【これは本当に合法なのですか?】
この問題に詳しい弁護士などは、給料ファクタリングの多くは「ヤミ金融」の疑いがあると指摘しています。

NHK解説員室

③朝日新聞

朝日新聞の記事

2020年の2月には、朝日新聞が給料ファクタリングをヤミ金の再来として注意喚起を行なっています。

給料の前払いをうたい文句に事実上、現金を貸し付ける悪質な業者が横行している。法外な支払いを請求されて困った利用者の訴えが昨年以降、目立ち始めた。業者は企業向けの資金調達手法になぞらえて「給料ファクタリング」と称しているが、実態はヤミ金だとの指摘もあり、業者と利用者のトラブルが裁判に発展する例も出てきた。

仕組みはこうだ。利用者は一定額の給料を受け取る権利(債権)を給料日前に額面より安く業者に売り、現金を入手。給料の受け取り後、額面通りの現金を支払って債権を買い戻す。実質的には、安くした分を利子にして業者から金を借りているのと同じ構図だ。差額は業者の利益となり、年利換算で1千%近くに及ぶケースもあるという。

業者側は給料ファクタリングは貸金ではなく債権の売買だと主張するが、この問題に詳しい山川幸生弁護士(東京弁護士会)は「ヤミ金の再来だ」と話す。ヤミ金への規制が厳しくなり、抜け道としてファクタリングに目をつけた可能性があると指摘する。貸金だとすれば貸金業法や出資法などに抵触するといい、「まずは金融庁がはっきりと見解を示してほしい」と話す。(新屋絵理)

朝日新聞デジタル「給料ファクタリング「ヤミ金の再来」 被害急増、裁判も」

この記事では給料ファクタリング業者と利用者の裁判事例を取り上げています。

日経新聞よりも、よりヤミ金・違法性という言葉色を強めています。

④産経新聞

2020年3月には、産経新聞でも給料ファクタリングがニュースとして取り上げられています。

会社員などから将来受け取る給料を債権として買い取り、給料日前に事実上、現金を貸し付ける「給料ファクタリング」の被害相談が相次いでいる。
(中略)
法規制がないことを背景に、多額の手数料を要求されるトラブルも目立つ。専門家は「実質的なヤミ金だが、周囲に被害を相談できない人も多い」としている。(杉侑里香)
(中略)
その実態について「ヤミ金にほかならない」と指摘するのは植田勝博弁護士だ。一般的なファクタリングは、大半が「利用する会社-取引先-業者」の3者間の合意で行われる。これに対し、給料ファクタリングは「利用者-業者」の2者間で進み、給料債権の譲渡も名目だけ。そもそも労働基準法は、給料は労働者への直接払いが原則で、「事実上は利用者と業者間の金銭の貸し借りだ」(植田弁護士)。
(中略)
多重債務者を支援する「大阪クレサラ・貧困被害をなくす会」(大阪いちょうの会)にも今年に入り、相談が急増。同会ヤミ金対策委員長の前田勝範司法書士によると、他の消費者金融などで借金がある多重債務者の利用が多いとみられる一方、全容は今も謎が多い。前田氏は「被害事例を集め、実態把握や刑事告発につなげていきたい」と話している。

給与ファクタリング情報スレ21

まとめ

給料ファクタリングに関する各機関の判断やニュースなどを取り上げてみました。

各機関・メディアとも給料ファクタリングの注意点や危険性を厳しく訴求しています。

しかしながら現状、給料ファクタリングは違法だと断定するものは1つもありませんでした。

また給料ファクタリング業者が逮捕されたり、貸金業法・利息制限法などの法律違反となった判例も存在しません。

給料ファクタリングのご利用をお考えの方は、くれぐれも危険性・注意点をよくよく理解してからご利用するようにしましょう。

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