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売掛債権を買い取るファクタリングは、中小企業庁からも奨励されるまっとうな資金調達手法です。

実際、債権は早く現金化するに越したことはありませんから、売却によってキャッシュに余裕を持たせるのは合理的な手法といえます。

とはいえ、「ファクタリングに興味を持っているけどどうにも二の足を踏んでしまう…」と考えている事業者も少なくないでしょう。

実際、ファクタリングという手法は知名度こそ上がったものの、まだまだ理解が追いついているとは言えませんし、いくつか法整備が必要なのではないかと感じることもあります。

本記事では、そうした事情・現状の問題点を踏まえつつ、利用する上で注意しておきたいことを解説していきましょう。

ファクタリングが抱える5つの問題点とリスク

ファクタリングが抱える5つの問題点とリスク

大前提として、ファクタリングは「融資」ではなく「買取」業となります。
このことは、いくつかのメリットを生むと同時にいくつかの問題点も抱えてしまっているのです。

以下に問題点をまとめました。

  1. ファクタリング業は金融庁の監督下にない
  2. 貸金業法の適用外となり、利息制限法にも当てはまらない
  3. 売掛先の理解が得にくく、3社間ファクタリングが利用しにくい
  4. 「超短期融資」と考えるとパフォーマンスに問題がある
  5. 依頼者、業者双方がリスクを負って実行する

それでは、詳しく解説していきましょう。

1.ファクタリング業は金融庁の監督下にない

通常、融資を含む貸金業を営む場合、貸金業登録を行った上で、金融庁の監督下で営業を行う必要があります。

監督下に入れば、その後は貸金業法のもとで営業を行い、利息制限などについてもキッチリと守っていかなくてはなりません。

一方、ファクタリングは融資ではないため、これらは一切当てはまることがないのです。

このことは、後述の「手数料が高くなりすぎる」といった問題に繋がっているほか、悪徳業者がある程度野放しになってしまうといったリスクも孕んでいます。

2.貸金業法の適用外となり、利息制限法にも当てはまらない

上記に関連しますが、ファクタリングには利息制限法が適用されないというデメリットも孕んでいます。

利息制限法とは、下記のように定められた利息上限を超えて貸し付けを行った場合、その超過分が無効になるという法律です。

  • 元本の額が10万円未満:年20%
  • 元本の額が10万円以上100万円未満:年18%
  • 元本の額が100万円以上:年15%

たとえば、50万円の貸し付けを行った場合の年間利息は、50万円の18%分である60,245円分までしか請求できません。

これ以外にもっと細かい規定はありますが、おおむねこのように利息上限が定められています。

一方、ファクタリングの場合は「債権の売買」にあたるため、利息制限法が適用されません。

したがって、たとえ利息が99%であろうと、双方合意の上であれば法律違反にはならないのです。

そのため、法外な手数料を請求されたとしても法律違反ではないため、法に則って対抗することはできないことは覚えておきましょう。

3.売掛先の理解が得にくく、3社間ファクタリングが利用しにくい

ファクタリングは、認知度こそ高まっているものの業種によってはまだまだ理解度が低い調達手法です。
そのため、ファクタリングを利用することで風評被害を受けてしまうリスクもあるのです。

具体的には、「売掛債権を現金化してまで資金繰りをしなくてはならないとは、相当経営が苦しいのではないか…?」「不渡りになったら困るから、今後の取引は考えておこう」など。

別記事でも述べていますが、売掛債権はさっさと現金化するに越したことはありませんし、売掛債権現金化は真っ当な調達手法です。

したがって別に恥じる必要は無いのですが、だからといって取引先に正論を言っただけで風評被害がなくなるのなら苦労はしないでしょう。

したがって、3社間ファクタリングに持ち込むのであれば入念に取引先を説得する準備が必要であることは念頭に置いておきましょう。

4.「超短期融資」と考えるとパフォーマンスに問題がある

ファクタリングは、確かに即日で資金調達をするには最適な手法のひとつですが、一方で短期融資と考えるとパフォーマンスは非常に悪いです。

元々手数料は2社間ファクタリングの場合15%〜25%と高めですが、加えてこちらは年利ではなく、2〜3ヶ月で15%〜25%と考えられるためです。

同程度の手数料であるビジネスローンも金利は15%くらいですが、年利であることを考えると手元に残るキャッシュにはかなりの差が出てしまうのです。

したがって、短期間に何度も利用すると自分の首を絞める可能性が上がり、おすすめできません。

5.依頼者、業者双方がリスクを負って実行する

1や2のまとめとなりますが、ファクタリングは今のところ100%安全に取引できるビジネスであるとは言いがたいのが現状です。

これは、依頼者だけでなく業者側も同様で、2社間ファクタリングの手数料が非常に高いのは、取引するうえでのリスクを加味した結果なのです。

依頼者側は、不当に高い手数料や関係の無い契約をさせられるなど警戒しなくてはなりませんが、業者側にとっても以下のようなトラブルを警戒しなくてはなりません。

  • 依頼者が売掛金を業者に入金せず、横領するリスク
  • 買い取った債権を別の業者に売却(二重譲渡)されるリスク
  • 架空の債権を持ち込み、現金化されるリスク
  • 売掛先が倒産するリスク
  • 虚偽の申告をされるリスク

これらは犯罪であり、対応や資金の回収に多大な手間がかかってしまうので、業者としてはできる限り避けたいのです。

特に、横領や架空債権は対策しても防ぎにくく、資金を回収できないおそれもあります。

だから、損害があっても回収できるよう、手数料を高めに設定しておくのです。

長くなりましたが、上記のようなリスクを抱えた取引であることを、よく把握した上で臨むようにしましょう。

最後に、まとめとしてファクタリングを利用するうえで注意すべきことも紹介しておきます。

ファクタリングを利用する上で注意すべき4つのこと

ファクタリングを利用する上での注意点

上記の注意点のまとめとして、ファクタリングを利用する上で注意しておきたいことをまとめました。

  1. 他の資金調達手段が利用できない時に利用すべき
  2. 利用する業者をあらかじめリサーチし、すぐに申し込めるように準備しておく
  3. できれば3社間ファクタリングに持ち込みたい
  4. 利用者のモラルも重要視されるため、直接面談は必須=地方は若干不利

それでは、詳しく解説していきましょう。

1.他の資金調達手段が利用できない時に利用すべき

少し身も蓋もないですが、ファクタリングは他の資金調達手段を考えたうえで、最後に検討するようにしましょう。

ファクタリングのメリットは「入金スピードが非常に早い」ことですが、裏を返せばそこまで追い詰められていない=メリットの恩恵を受けられないようであれば、他の手段を講じるべきです。

前の項目でも述べましたが、パフォーマンスを考えた場合同じノンバンクでもビジネスローンの方が圧倒的に有利です。

長期的に見据えた上で利用しなければ、最悪キャッシュフロー改善どころではなくなるので気をつけましょう。

2.利用する業者をあらかじめリサーチし、すぐに申し込めるように準備しておく

ファクタリングは、参入ハードルが低いビジネスのため正直なところ玉石混交の業界です。

そのため、リサーチ&業者選びは怠らず、優良な業者を探すようにしましょう。

おすすめは「ファクタリングを利用する必要性が出てきた際に利用する業者をあらかじめ決めておく」ことです。

できれば書類の準備も済ませておくと、本当にファクタリングに頼らなければならなくなった際にスムーズな進行ができるでしょう。

3.できれば3社間ファクタリングに持ち込みたい

2社間か3社間かで迷っているなら、3社間ファクタリングを利用しましょう。

というより、2社間ファクタリング自体が3社間ファクタリングを利用できない人のためのものだからです。

取引先に相談するのが難しくても、業者によっては取引先まで一緒に出向いて話をしてくれるところもありますので、積極的に活用していきましょう。

4.利用者のモラルも重要視されるため、直接面談は必須=地方は若干不利

ファクタリング利用時は、ほぼすべての業者で直接面談が必須とされています。

これは、ファクタリングというビジネスがお互いのモラルで成り立っている面があるためで、したがって地方の場合は若干不利になります。

交通費などは基本的に利用者負担となりますので、利用の際はこの点も気をつけておきましょう。

ファクタリングが抱える問題点と対処法:まとめ

ファクタリング問題点と対処法まとめ

ファクタリングは、「債権の売買」であり融資ではないことから、以下のような問題点を抱えています。

  1. ファクタリング業は金融庁の監督下にない
  2. 貸金業法の適用外となり、利息制限法にも当てはまらない
  3. 売掛先の理解が得にくく、3社間ファクタリングが利用しにくい
  4. 「超短期融資」と考えるとパフォーマンスに問題がある
  5. 依頼者、業者双方がリスクを負って実行する

こうした問題を回避するためには、事前リサーチを怠らない、契約の流れなど予め知識をつけておく、といった対策が必要となります。

また、取引先の理解が得られにくい場合、業者に相談して3者で話をする機会を設けてもらう、などの方向性も検討してみましょう。

ファクタリングは、有料な業者と健全に取引を行う限りは、非常に心強い資金調達手段となり得ますので、本記事で解説した内容を元に利用してみてください。