診療報酬債権ファクタリング、仕組みとメリットを解説!

[※本記事には広告・プロモーションが含まれております]

今回は診療報酬債権ファクタリングについて、仕組みやどんな事業者に向いたサービスなのか、どのようなメリットやデメリットがあるのか、という点について詳しく解説していきます。

医療業界では認知度の高いファクタリングですが、ファクタリングがどのようなものかわからない、融資と比べてどう違うのかがわからない、と利用を躊躇している方もいるのではないでしょうか?

レセプト(診療報酬債権)ファクタリングは、一般的にファクタリングと呼ばれる手法の中でも、かなり有利な条件で実行できるのが特徴です。

診療報酬債権ファクタリングとは?

診療報酬債権ファクタリングとは?

診療報酬債権ファクタリングとは、病院・クリニックなどが社保・国保に提出する「レセプト(診療報酬債権)」を、ファクタリング業者に売却することで、支払いサイトを大幅に早める資金調達手法です。

被保険者ごとに月単位で作成するレセプトは、国保(国民健康保険団体連合会)や社保(社会保険診療報酬支払基金)に翌月5日、または10日で提出するのが一般的。

単純計算で言えば、診療報酬が発生してから実際に入金されるまでには、2ヶ月程度の期間を要してしまいます。

ここまでは、医療事業者の方であればご存じだと思いますが、支払いが2ヶ月先であるという点で、経営に苦しむ方も少なくありません。

そのようなニーズに応える形で誕生したのが、診療報酬債権(レセプト)ファクタリングです。

ファクタリング業者によっては、「メディカルファクタリング」「医療ファクタリング」などといった呼び方をされる場合もありますが、意味に大きな違いはありません。

また、余談ですが薬局の調剤報酬は「調剤報酬ファクタリング」、介護の場合は「介護報酬ファクタリング」など、細かく呼び方が分けられています。

それでは、診療報酬債権ファクタリングがどういった仕組みで現金化されるのか、スキームを見ていきましょう。

診療報酬債権ファクタリングの仕組みを解説

診療報酬債権ファクタリングの仕組み

診療報酬債権ファクタリングは、債権が発生してからおおむね以下の手順で実行されます。

  1. レセプト(診療報酬債権)を国保・社保に提出
  2. 診療報酬債権ファクタリングを申し込む
  3. 債権をファクタリング業者が査定、契約する
  4. ファクタリング業者から国保・社保へ債権譲渡通知
  5. 契約後、3〜5営業日で依頼者の口座に入金
  6. 支払期日に、国保・社保からファクタリング業者へ直接診療報酬が支払われる

上記の流れにより、通常2ヶ月程度を要する診療報酬の支払いサイトが短くなるという仕組みです。

単純に考えて、債権が発生してすぐにファクタリングを依頼すれば、およそ1ヶ月半程度早く入金されることになりますね。

さて、続いては補足として「債権譲渡通知」や実際に入金される金額について解説します。

実際に早期入金される金額は「請求額‐(掛け目+手数料)」

ファクタリングを利用すれば、レセプト提出後5営業日以内に入金される→支払いサイトを実質一ヶ月半近く早くできる、という点について先ほど解説しました。

この際、早期に入金されるのは、手数料と掛け目を引いた金額となります。

「掛け目」とは、担保掛け目のことで、不動産担保と同質のものであると解釈すれば問題ありません。

通常、診療報酬債権ファクタリングの掛け目は80%〜90%ほどで、実際に入金されるのは「債権の請求額‐(掛け目(10%〜20%)+手数料)」ということになります。

例えば、レセプトが1,000万円、掛け目が80%、手数料が2%だったとすると、実際に入金されるのは「1,000万円-200万円-20万円=780万円」という形です。

この200万円分は、正規の支払期日に国保・社保からファクタリング会社への入金が確認されれば、依頼者に返還されます。

債権譲渡通知とは?

「債権譲渡通知」とは、債権が依頼者からファクタリング業者へ譲渡した旨を証明し、第三者への対抗要件を具備するためのものです。

これが無ければ、例えば依頼者がファクタリングを実行した後に、違う業者でファクタリングをしようとした場合に、多重譲渡であるという証明ができなくなってしまいます。

つまり、ファクタリングをビジネスとして成り立たせるために必要な契約となります。

さて、上記の仕組みをもとに診療報酬債権ファクタリングは行われます。

続いて、これがどんな事業者におすすめなのかを簡単に解説していきましょう。

どんな事業者におすすめ?

診療報酬債権ファクタリングは、どんな業種にオススメか?

診療報酬債権ファクタリングは、たとえばこんな事業者におすすめです。

  • 病院・クリニック等の開業医
  • 融資枠を使いたくない
  • 開業したてで融資が受けられない
  • 担保・連帯保証人が用意できない
  • 少額の資金ニーズがある(人件費、医療機器導入や改増築など)

融資の代替手段として、さまざまなニーズに対応できるのが特徴で、医療業界で認知度が高いのもうなずけます。

さて、ここまで診療報酬債権ファクタリングについて解説してきましたが、ファクタリングの中でも医療ファクタリングと、ポピュラーな一括ファクタリングは非常に似ています。

続いて、「一括ファクタリングとどう違うのか」という点に触れていきましょう。

一括ファクタリングとの違い

一括ファクタリングとの違いを解説!

一括ファクタリングとの違いを簡単にまとめると、以下のような点が挙げられます。

  1. 与信が非常に高く、有利な条件でファクタリングが可能
  2. 売掛先に同意を得る必要が無い
  3. 手数料や仕組みは3社間ファクタリングと同等ながら、実質2社間ファクタリング
  4. 売却できる債権は診療報酬債権(レセプト)のみ

まず、売掛先にあたる機関が国保・社保であるため、ファクタリング業者にとってはほぼノーリスクでの回収が可能となります。

加えて、依頼者も社会的に与信が高いとされる医療業界であるため、結果として非常に有利な条件でファクタリングを実行できます。

また、国保・社保は基本的に債権譲渡を禁止していないため、売掛先に承認を得る必要が無いこともメリットでしょう。

仕組みとしては3社間のそれでありながら、実質2社間ファクタリングと同じようにファクタリングを進めることができます。

まとめると、「一般的な一括ファクタリングと比べて有利な条件でファクタリングできる」というのが最大の違いであり、強みといえます。

では、これらを踏まえた診療報酬債権ファクタリングのメリット・デメリットをまとめていきましょう。

診療報酬債権ファクタリングが持つ6つのメリット

診療報酬債権ファクタリングが持つ、6つのメリット

診療報酬債権ファクタリングのメリットは、以下の6点です。

  1. 支払サイトを最大1ヶ月半短縮できる
  2. 融資枠を使う必要が無い
  3. 融資と比べ、必要書類や手続きが少ない
  4. 手数料が融資並に安い
  5. 数日でキャッシュフローを改善できる
  6. さまざまな資金ニーズに対応可能

それでは、具体的に解説していきましょう。

1.支払サイトを最大1ヶ月半短縮できる

上述した通り、支払いサイトを大幅に短縮できるのが最大のメリットです。

つなぎの運転資金や、キャッシュフローの改善などさまざまなニーズに役立てることが可能です。

2.融資枠を使う必要が無い

融資枠を使わずに、資金調達ができるのもメリットといえます。

加えて、ファクタリング共通の特徴として、流動資産のスリム化が可能であるため、純資産利益率(ROA)が上がり、金融機関からの評価が上がるというメリットもあります。

3.融資と比べ、必要書類や手続きが少ない

融資を受ける際に比べ、必要書類や手続きも比較的少なく済みます。

急ぎで資金調達をしたい場合、かなり助かるポイントといえるでしょう。

4.手数料が融資並に安い

先ほど解説したとおり、手数料相場はだいたい1.5%〜5%程度と、非常に安くなっています(債権の金額によります)。

そのため、手数料に苦しまずにファクタリングができるというメリットがあります。

5.数日でキャッシュフローを改善できる

支払いサイトを短縮し、数日後にはキャッシュフローを改善できるスピード感は、数ある資金調達手法の中でも大きなメリットとなります。

6.さまざまな資金ニーズに対応可能

こちらも上述していますが、さまざまなニーズに対応可能です。

特に、短期的なつなぎ資金事業拡大の資金の足しにするなど、状況に応じてキャッシュに余裕を生み出し、色々なものに繋げることができます。

上記のように、診療報酬債権ファクタリングにはさまざまなメリットがあります。

ただし、これだけ便利に見えるファクタリングにもいくつかのデメリットがありますので、こちらもチェックしていきましょう。

診療報酬債権ファクタリングのデメリット

診療報酬債権ファクタリングのデメリットを解説!

診療報酬債権ファクタリングのデメリットは、以下の2点が挙げられます。

  • 債権の額以上を調達することはできない
  • 計画的に利用しないと2ヶ月先が苦しくなる

それぞれ、詳しく解説していきましょう。

1.債権の額以上を調達することはできない

ファクタリングの宿命とも言えますが、債権の請求額以上はどう頑張っても調達することができません。

加えて、すでに発生している診療債権以外はファクタリングできない点もネックです。

そのため、大規模な資金調達手段には向かないということを認識しておきましょう。

2.計画的に利用しないと2ヶ月先が苦しくなる

2ヶ月先のレセプトが前払いされるということは、2ヶ月後は本来の10%〜20%程度しか入金されてこないということになります。

言うまでもなく、入金されたからといって無計画に支出を増やしてしまうのは厳禁。

長期的にはキャッシュフロー改善の見込みがあるという状況で使うのがベストです。

この2点を踏まえると、「融資や出資など、別の手段が使えない場合」の代替案として使うべきであり、ファクタリングは決して優先的に利用するべきでは無いという結論になります。

うまく利用すればかなり心強い調達手段になり得ますが、他の上位互換になるわけではないということを認識して、利用するようにしましょう。¥

まとめ

ハートの置物を持つ看護師

診療報酬債権ファクタリングとは、「レセプト(診療報酬債権)」をファクタリング業者に売却することで、支払いサイトを大幅に早める資金調達手法です。

例えば、開業したてでつなぎの運転資金が必要、新しく従業員を雇用したい、病棟の改増築をしたい、など、さまざまな資金ニーズに対応することが可能。医療業界では広く知られている手法でもあります。

ポピュラーな一括ファクタリングと比較すると、与信が非常に高く有利な条件でファクタリングができるという点、売掛先にあたる国保・社保の同意を得ることなく(債権譲渡が禁止されていないため)ファクタリングができるという点の2つが大きなメリットとなります。

ただし、融資より優先して利用するべきものではありませんので、融資枠を使いたくない、融資が受けられそうに無い、という状況で検討するようにしましょう。

人気急上昇のおすすめファクタリング会社をご紹介