近年ではファクタリング契約時のトラブルが後を絶ちません。
トラブルを回避するためには、悪徳業者に引っかからないような事前の業者リサーチも必要ですが、何より契約に当たっての知識を仕入れておくことが重要です。
そこで、本記事では「ファクタリング契約の仕組み」を簡単に解説し、流れに沿って「契約前にチェックすべき7つのポイント」と「契約時に気をつけるべき3つのポイント」をまとめました。
目次
ファクタリング契約の仕組み
まず、ファクタリングの簡単な契約の仕組みについて、解説していきましょう。
ファクタリングは、申し込み→仮審査→本審査というフローののち、本契約となります。
契約までの詳しい手順は、別記事にもまとめておりますのでそちらを参照ください。
契約時の基本的なステップは、以下の通りとなります。
- 債権譲渡契約を締結
- 依頼者に手数料・掛け目を引いた譲渡代金が入金される
- 売掛金をファクタリング会社に入金する
- 入金が確認できたら、掛け目が依頼者に返還される
先ほど紹介した記事でも解説しておりますが、掛け目とは「担保掛け目」のことです。
掛け目は通常10%〜20%ほどで、売掛金の中から担保として10%〜20%がファクタリング会社預かりになり、入金時は掛け目+手数料を引いた額が実際に振り込まれる金額になります。
掛け目は、正規の支払日にファクタリング会社の口座に売掛金の入金が確認されたのち、依頼者に返還されます。
さて、ここまでで簡単な流れを解説していきましたが、それではこの契約前に「チェックしておきたいポイント」を解説していきます。
契約前にチェックしておきたい7つのポイント
先ほど、簡単に契約の流れを解説しましたが、契約する前に気をつけておきたいポイントを解説していきます。
本審査が完了するまで、即日〜3日程度かかりますので、その間にまとめておくとスムーズでしょう。
では、チェックすべき7つのポイントは以下の通りです。
- 手数料・諸費用の名目と内訳
- 契約時に入金される金額
- 契約時に持参する必要がある書類
- 債権譲渡契約以外に必要な契約
- 対面で手続きできるかどうか
- 償還請求権の有無
- 2回目以降の利用で手数料が下がるか
それでは、順に解説していきましょう。
なお、これらは可能な限り「書面に記載されたものを貰う」ように心がけておきましょう。
書面で貰ってなかったが故に、言った言ってないの押し問答になってしまったり、いざ契約する時に、事前に聞いた内容と違ったというトラブルは後を絶ちません。
1.手数料・諸費用の名目と内訳
ファクタリングは、手数料の変動幅が大きいのが特徴です。
諸経費からリスク回避のための掛け目まで、取り扱う債権によって大まかな手数料はわかるものの、実際にどの程度の手数料になるかは審査結果が出るまで分かりません。
加えて、手数料の内訳をすべてのファクタリング業者が開示してくれるわけではないことに注意しましょう。
しかし、誠実な業者であれば、手数料の内訳を記載した表を渡してくれますし、そもそも
依頼者として内訳の開示を要求することは何ら不自然ではありません。
ですから、手数料の内訳が分からない場合は開示を依頼し、内訳の意味がわからなければ都度確認しましょう。
真っ当にファクタリングをやっているのであれば、正確に手数料を告げられるはずですので、内訳を誤魔化そうとする企業は当然警戒すべき業者といえます。
2.契約時に入金される金額
手数料と合わせて、「実際に振り込まれる金額はいくらなのか」ということも聞き出しておきましょう。
先ほど説明したとおり、実際に入金されるのは売掛金から手数料と掛け目を引いた金額です。
トラブルを防ぐため、こちらも書類を貰っておきましょう。
3.契約時に持参する必要がある書類
ほぼ全てのファクタリング業者で、事前に伝えられるとは思いますが、契約時に書類の不備がないように務め、どの書類を持って行けば良いかは事前に聞いておきましょう。
4.債権譲渡契約以外に必要な契約
ファクタリング契約時に、まったく別種の契約を締結させられそうになった、というトラブルも何件か報告されています。
そうしたトラブルを防ぐため、契約時に「債権譲渡契約」以外に必要な契約はあるか、あるとしたらなぜ必要なのか、を確認しておきましょう。
5.ファクタリング会社の事務所で手続きできるかどうか
悪徳業者にありがちなのが、事務所を構えていないというケースです。
それ故、契約時には喫茶店など事務所以外の場所を提示してくる、頑なに自社に依頼者を招こうとしない、などの特徴があります。
事務所・会社以外での契約を迫られた場合は、十分に警戒したうえで別の業者を選ぶことも検討しましょう。
6.償還請求権の有無
償還請求権とは、簡単に言うと「債権が不渡りになった場合、依頼者が返済義務を背負うかどうか」という権利です。
償還請求権あり(リコース)の場合は、売掛金が回収できなくなった場合、依頼者がファクタリング会社の損失を補填する形になり、償還請求権なし(ノンリコース)の場合、依頼者が支払う義務はありません。
基本的に、ファクタリング会社はノンリコース(償還請求権なし)が基本ですが、デフォルトで償還請求権ありとなっている業者も存在しています。
もし、ここを確認せずに契約してしまった場合、不渡りになった際にどうなるかということがわからないので、非常に危険です。
ただし、もちろんあえて償還請求権ありで契約し、手数料を下げて貰うということも可能です。
7.2回目以降の利用で手数料が下がるか
通常、ファクタリングは同じ業者を複数回利用することで与信が上がり、2回目以降は手数料が安くなります。
利用するのであれば、2回目以降は手数料を下げて貰った方が良いので、この点も確認しておきましょう。
長くなりましたが、上記7つが契約前にチェックしておくポイントです。
上述したとおり、これらは書面で通知してもらうようにしましょう。
では、これらを踏まえて、契約時にチェックすべき4つのポイントも解説していきます。
契約時に注意すべき3つのポイント
契約時に注意すべき3つのポイントは、以下の通りです。
- 契約書の控えをその場で貰えるかどうか
- 契約時に内容の説明がしっかりしているか
- 債権譲渡登記の費用など、事前に説明された諸費用と食い違う点はないか
それでは、詳しく解説していきましょう。
1.契約書の控えをその場で貰えるかどうか
契約書の改ざんも、ファクタリングのトラブルでよくある事例です。
契約書は確認したその場で控えを貰うようにしておき、内容も正しいかをきちんと確認するように務めましょう。
2.契約時に内容の説明がしっかりしているか
契約内容の説明も、細かいところまでしっかり行ってもらうようにしましょう。
早く現金化したいあまりに、契約書を流し読みしてしまわないよう気をつけてください。
ファクタリングに潜む悪徳業者は、そういった事業者の心理につけこんで来ます。
3.債権譲渡登記の費用など、事前に説明された諸費用と食い違う点はないか
契約前にチェックすべきポイントの中で解説しましたが、事前に説明された内容と食い違う点がないかどうかも確認するようにしましょう。
上記のとおり、契約内容の確認、事前に説明された内容の確認など、とにかく確認に努めましょう。
不明瞭な点や、事前説明と食い違う点がある場合、業者に直接質問し、納得してから契約するようにするとベストです。
契約前にキャッシュフロー改善見込みを確認する
補足として、ファクタリングという資金調達手法を利用する際に気をつけてほしい部分として「その後の改善の見込みがあるかどうか」という点に注意してください。
ファクタリングは、売掛金の前払いに相当するため、資産が増えているわけではありません。
ですから、後先考えないファクタリングは自社の首を絞めることに繋がってしまうのです。
申し込み、契約する前に、必ず経営計画を立ててファクタリングの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ:有利な条件で契約するには?
契約の際は、以下の7点をチェックしましょう。
- 手数料・諸費用の名目と内訳
- 契約時に入金される金額
- 契約時に持参する必要がある書類
- 債権譲渡契約以外に必要な契約
- 対面で手続きできるかどうか
- 償還請求権の有無
- 2回目以降の利用で手数料が下がるか
なお、入金される金額や手数料・諸費用の内訳などは、「必ず」書面あるいはメールなど、内容が証明できるもので通知してもらいましょう。
契約時のトラブルを避け、希望どおりの条件でファクタリングを実行するため、契約に関する知識を仕入れておくことは重要です。
この記事が、あなたのトラブル回避の一助になれば幸いです。
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