会社を経営していく上で、資金調達は重要な要素です。
ファクタリングも資金調達の一種ですが、資金調達と言えば銀行融資がメジャーでしょう。
そんな銀行融資には、実は大きく分けて7つの種類があり、それぞれ融資金額や目的などが異なります。
本記事では、銀行融資を種類別に解説し、それぞれの特徴・メリット・デメリットを解説して参ります。
また銀行融資が利用できない場合の資金調達法であるファクタリングについても、比較していきたいと思います。
目次
銀行融資の種類と基本情報を解説
銀行融資は、他の金融機関よりも低金利で借入をすることができます。
また借り入れはその企業の実績や信用にも大きく関わりがあり、きちんと返済できれば会社としての評価や信用情報が向上します。
一方で、審査基準が厳しく、提出書類が多い、融資まで時間がかかるというデメリットも存在します。
そのため銀行融資を利用する際には、それぞれの特徴を理解し経営状況に最適な融資種類を選択することが重要です。
それでは、順番に解説して参ります。
①証書貸付
証書貸付とは、銀行へ融資の申し込みをする際に、「金銭消費貸借契約書」と呼ばれる借用証書を提出する融資の方法です。
金銭消費貸借契約書には、
「契約日」・「借入金額」・「借入利率」・「返済方法」・「遅延損害金」・「返済期間」・「保証人」
など融資に関する情報に加えて、企業の署名、代表者の方の署名、捺印をして銀行に提出します。
証書貸付の特徴としては、借入期間が長いことが挙げられます。
運転資金として証書貸付を利用する場合には7年以内、設備資金として借入をする場合には15年以内という長い返済期間が設けられます。
証書貸付の場合の返済方法は、元金均等返済が一般的です。
一方で審査は比較的厳しく、決算状況や過去の売上の推移などをチェックされます。
メリット
メリットは、長期的に資金を借入ることができるという点です。
また契約書の中で、金利を市場金利連動としたり繰上返済を可能にしたりと、借入条件を設定することができます。
デメリット
証書貸付のデメリットとしては、前述の通り審査が厳しいことです。
それに比例して、手続きも煩雑で融資が下りるまでに時間を要します。
また借入期間が長いため、金利負担も長期化するという点には注意しなければいけません。
②手形貸付
手形貸付とは、借入用の手形を銀行に差し入れることで、融資を受けるという方法です。
手形割引と混同されがちですが、手形割引は取引先からの支払いのための手形を銀行に現金化してもらうという融資方法です。
一方の手形貸付は、申し込み人が自ら約束手形を振り出して、それを担保に融資を受けます。
特徴としては、一時的な運転資金のための融資であり、借入期間は数ヶ月程度の短い期間であるという点です。
支払いは期日に一括で返済を行います。
手形貸付のメリット
手形貸付のメリットとしては、約束手形が担保となるため審査基準が厳しくないという点です。
短期間短期間の資金調達に向いており、急場の資金繰りにも活用することができます。
手形貸付のデメリット
手形貸付の最大のデメリットは「不渡り」です。
支払い期日までに返済ができないと、不渡りになってしまいます。
半年以内に2回、不渡りを起こしてしまうと銀行取引を停止させられてしまうので注意してください。
③プロパー融資&保証付融資
保証付融資とは、信用保証協会の保証をつけて申し込みをする融資のことです。
信用保証協会に保証料を支払うことで、信用保証協会が保証人になってくれます。
したがって、主に信用情報が低い中小企業が保証付融資を利用しています。
一方のプロパー融資は、信用保証協会の保証がなく、銀行と申込企業の間で行われる融資です。
プロパー融資は保証付融資より断然に審査は厳しくなりますが、借入金額に限度額が設定されておらず金利も低いという特徴があります。
それぞれのメリット
保証付融資のメリットは、何と言っても保証人が付いているため審査が通りやすいという点でしょう。
信用力が低い中小企業でも、長期間の借入が可能です。
一方のプロパー融資のメリットは、限度額ないことと金利が低いということが挙げられます。
またプロパー融資の審査に通るということは、銀行から一定の評価を得ているということであり一種のステータスにもなります。
それぞれのデメリット
保証付融資のデメリットとしては、信用保証協会に支払う保証料が発生するという点です。
また信用保証協会からも審査があり、最終的な融資実行までは時間を要します。
一方のプロパー融資のデメリットとしては、審査が非常に厳しいことの他にも、返済期間が短いという点が挙げられます。
基本的にプロパー融資の返済期間は「5年以内」に設定されており、証書貸付に比べると遥かに返済期間は短くなってしまいます。
④当座貸越
当座貸越とは、事前の審査によって融資の限度額を設定し、その範囲内で融資を受けるという方法のことです。
好きな時に自由に借入や返済ができ、資金ニーズに合わせて利用することができます。
当座貸越には、2種類あり、一般当座貸越と専用当座貸越に分類されます。
一般当座貸越とは、銀行に預金している残高を超える金額を引き出す場合に、自動的に貸越になる借入方法です。
一方で専用当座貸越は、当座貸越のための専用の口座を解説し、その口座から必要な金額を借り入れるという方法となります。
当座貸越のメリット
当座貸越のメリットは、融資の申し込みが比較的簡単であるという点です。
融資を希望する場合には、銀行の窓口で専用の伝票を記入し届出印を押印するだけで、審査に移行します。
また必要な時に必要な分だけ借入をすることができるため、無用な借入をすることがなく返済する利息額もコントロールすることができます。
当座貸越のデメリット
当座貸越のデメリットは、審査が厳しいという点が挙げられます。
申し込みまではスムーズなのですが、限度額を設定するのに時間を要します。
また一年間の契約期間内は、銀行は返済を要求することができないため、過去の融資実績も重要視されます。
⑤売掛金担保融資
売掛金担保融資は、企業が有している売掛債権を担保にすることで、銀行から融資を受けることです。
「債権譲渡登記」という制度が成立した影響で、売掛先からの承諾を得ることなく融資を受けることが可能です。
金利や審査基準についても、担保があるため低いという特徴があります。
売掛金担保融資のメリット・デメリットやファクタリングとの比較は、別記事にて詳しく解説しておりますので、そちらをご参考にしてください。
【参考記事】売掛債権担保融資(ABL)とファクタリングの違いやメリットを比較!
⑥ビジネスローン
ビジネスローンは、銀行やノンバンクが中小企業向けに提供している融資のことです。
金融機関によって名称は異なりますが、無担保型であるのが特徴です。
一方で金利は高く、資金用途が限定されているという点は留意しなければいけません。
ビジネスローンのメリット・デメリットやファクタリングとの比較についても、別記事で詳しく解説していますので、ご参考にしてください。
【参考記事】ビジネスローンとファクタリングを比較!どちらがおすすめ?
⑦不動産担保融資
不動産担保融資とは、その名の通り不動産を担保にして受ける融資のことです。
土地や建物といった不動産を担保にするため、借入額が大きく審査も厳しくないという特徴があります。
また長期的な借入も可能であり、融資期間が10年を超えることもあります。
ただ不動産を担保にしており、融資期間が長い割には、金利は低くないという点には注意してください。
不動産担保融資のメリット
不動産担保融資のメリットとしては、保有している不動産の価値にもよりますが借入限度額が比較的、高いという点です。
また返済期間も長いため、余裕を持って返済計画を立てることができます。
不動産担保融資のデメリット
不動産担保融資のデメリットとしては、返済不能になってしまった時のリスクです。
返済不能になると、当然ながら担保としていた不動産は差し押さえとなってしまいます。
また金利が低いと思われがちですが、不動産担保融資の金利はそれほど低くはありません。
借入期間も長いため、利息総額が大きくなることが考えられます。
銀行融資が利用できない時にはファクタリングを活用しよう
銀行融資の種類やそれぞれのメリット・デメリットについて、見てきました。
銀行融資は、比較的低金利で借入が可能です。
しかしながら審査があり、手続きが煩雑、融資が下りるまでに時間がかかってしまうというは共通しています。
そのため銀行融資が利用できないということも、十分に考えられます。
そこで融資が受けられない場合に知っておきたい資金調達法が、ファクタリングです。
次に融資が受けられない場合にファクタリングを利用すべきメリットについて見ていきましょう
ファクタリングのメリット
売掛金の現金化であるファクタリングには、以下のようなメリットがあります。
- 審査が厳しくない
…信用が低くても利用可能 - 最短即日で資金調達ができる
売掛金を有していれば、ファクタリングはほぼ確実に資金調達が可能です。
そのため銀行融資よりも、資金調達としての確実性は高いと言えるでしょう。
ファクタリングのデメリット
ファクタリングのデメリットは、手数料の高さです。
低金利で借りられる銀行融資と比べると、遥かに手数料が高いため、可能であるならば銀行融資をご利用されることをお勧めします。
- 急に資金が必要になった、1週間以内に資金調達したい
- 銀行融資の審査落ちした
- 融資枠を空けておきたい
- 担保・保証人が用意できない
といった場合に、ファクタリングを活用しましょう。
銀行融資とファクタリングについて:まとめ
一概に銀行融資と言っても、複数の種類があります。
自社の経営状況や資金ニーズに合わせて、どの融資を利用するか検討しましょう。
ただ銀行融資は審査が厳しく、融資が下りるまで時間が長いというデメリットもあります。
銀行融資が利用できない場合には、信用情報不問で利用できるファクタリングをご活用ください。
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