ファクタリングにおける「3社間」と「2社間」、自社にとってどちらがより良いのかお悩みではありませんか?
実は、3社間ファクタリングと2社間ファクタリングはターゲットにしている事業者もメリットも、かなりハッキリ分かれています。
したがって、両者の特徴を知れば、どちらを使うべきか容易に判断できるようになるのです。
そこで、本記事では、3社間ファクタリングと2社間ファクタリングを比較し、メリットとデメリットを解説。どういった事業者にどちらが優れているのかも紹介しています。
目次
よく聞く「3社間」と「2社間」、違いは何?
ファクタリングにはさまざまな種類がありますが、もっともポピュラーなのは一括(買取)ファクタリングと呼ばれる、売掛債権の早期現金化を目的としたものです。
この一括ファクタリングは、3社間ファクタリングと2社間ファクタリングに細分化でき、それぞれターゲットや強みが異なっています。
したがって、3社間と2社間で違う点、メリットとデメリットを知れば、自ずと自社にあったファクタリングが見えてくるでしょう。
それでは、まず2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いを比較していきましょう。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの比較表
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いを表でまとめました。
3社間 | 2社間 | |
---|---|---|
手数料 | 1.5%~5% | 7%~30% |
入金スピード | 最短2日~5日 | 最短即日~3日 |
売掛先への通知 | あり | なし |
依頼者の与信 | ほぼ不要 | 必要(重要ではない) |
提供企業 | 民間~大手金融機関 | 民間のみ |
そもそも、2社間ファクタリングができた理由として、「売掛先に知られずにファクタリングしたい」という事業者のニーズがあったわけです。
それに応える形で、2社間ファクタリングというサービスは誕生しました。
ですが、実際のところこの手法は現状、業者側が小さくないリスクを背負って請け負っている(細かい部分は割愛します)という状況にあります。
要するに、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングはサービス内容としては、ターゲットや性質などの面で似て非なるものなのです。
そのあたりを認識したうえで、再度表を確認してみると、
- 手数料の差
- 売掛先に知られずにファクタリングできるかどうか
この部分に大きな違いがあることが分かります。
それでは、上表を踏まえつつ、まず「2社間ファクタリング」のメリットやデメリットを見ていきましょう。
2社間ファクタリングはどういう事業者に向けたサービス?
さて、ここからは先ほどの表の内容について、詳しく解説していきます。
まずは2社間ファクタリングですが、これはメリット、デメリットを知ることで「どういう事業者に向いたサービスなのか」が見えてきます。
それでは、2社間ファクタリングのメリットを解説していきましょう。
2社間ファクタリングが持つ4つのメリット
3社間ファクタリングと比べた場合の、社間ファクタリングが持つメリット、利用する利点は以下の通りです。
- 売掛先に知られない
- 最短即日〜3日で現金化できる
- 実行ハードルが低く、自社の裁量で業者選びができる
- 与信が上がれば1ケタ台の手数料で利用可能
それでは、詳しく解説していきましょう。
1.売掛先に知られない
先ほど解説したように、売掛先に知られたくない人向けのファクタリングが2社間ファクタリングです。
正確に言えば「高額な手数料に納得した上で、それでも3社間が利用できないという人向け」ではありますが、大きなアドバンテージといえるでしょう。
加えて、これは後述する「柔軟な業者選び、キャッシュフローの相談ができる」というメリットにも繋がります。
2.最短即日~3日で現金化できる
まず、スピード感で上回っている2社間ファクタリングは、「できれば3日以内に現金が欲しい」などのニーズに対応しています。
というより、本当にすぐ現金が必要という事業者が取れる選択肢は、事実上ファクタリングと民間の事業者向け融資(ビジネスローン)の2択になってしまいます。
そういう追い詰められた状況にこそ、真価を発揮する資金調達手法であるといえます。
3.実行ハードルが低く、自社の裁量で業者選びができる
先ほど紹介した、「売掛先に知られない」というメリットですが、これは、そのまま以下のメリットに繋がります。
- 手続きの簡略化
- 業者選びを自社の裁量で行える
2社間ファクタリングが優れている点は、あくまで依頼者とファクタリング会社のみのやりとりとなるので、売掛先に合意を得たり、意見をすりあわせたりする必要がありません。
実行のハードルが低いのは間違いなく2社間ファクタリングのすぐれている点といえるでしょう。
4.与信が上がれば1ケタ台の手数料で利用可能
また、2社間ファクタリングは手数料の振れ幅が大きい分、与信が上がれば手数料をかなり抑えることも可能です。
そのためには、2回目以降の利用で手数料を下げてくれる業者と付き合いを続けていくことが重要。
中には、2社間ファクタリングの利用を続けていくうち手数料6%、掛け目90%でファクタリングができるようになった事業者も存在します。
2社間ファクタリングのメリットをざっと上げると、このような点が考えられます。
続いて、2社間ファクタリングのデメリットも見ていきましょう。
2社間ファクタリングが抱える4つのデメリット・リスク
2社間ファクタリングが抱えるデメリットは、以下のとおりです。
- 手数料が高く、振れ幅も大きい(最安でも初回10%〜15%)
- 大手金融機関(メガバンク)がサービス展開していない
- 自社の与信もある程度必要になる
それでは、詳しく解説していきましょう。
1.手数料が高く、振れ幅も大きい(最安でも初回10%~15%)
まず、手数料が高く、振れ幅が大きいことが最大のデメリットです。
2社間ファクタリングの手数料は、初回15%~25%と高く、債権の額によっては30%を超えることもあります。
この高額な手数料が許容できなければ、どうにか3社間ファクタリングを利用できないか模索するべきといえるでしょう。
2.大手金融機関(メガバンク)がサービス展開していない
大手金融機関がサービス提供していない、という点もマイナスポイントに繋がります。
理由として、2社間ファクタリングが利息制限法の適応対象外であるため、もし今後ファクタリングに利息制限法が適用されるようになった場合、商売として成り立たなくなることが挙げられます。
3.自社の与信もある程度必要になる
3社間ファクタリングと比較すると、自社の与信も重要になってきます。
ファクタリング会社に支払う売掛金は、一旦依頼者預かりになり、そこからファクタリング会社に入金される形となるため、その間の持ち逃げ被害などを懸念しなくてはならないためです。
2社間ファクタリングが向いている事業者は?
さて、上記のメリット・デメリットをまとめると、2社間ファクタリングが向いている事業者は、以下のような状況にある人だと考えられます。
- 可能な限り早く債権を現金化したい
- 売掛先に知られたくない
- 手数料が多少高くなっても問題ない
- 債権の金額は比較的大きい
売掛先に知られずにファクタリングできるのは、2社間ファクタリングのメリットです。
逆に、このメリットがあまり重要では無い人は、3社間ファクタリングを利用するべきでしょう。
さて、それでは続いて3社間ファクタリングのメリットを説明していきます。
3社間ファクタリングが向いている事業者は?
2社間ファクタリングのメリット・デメリットを踏まえ、3社間ファクタリングが向いているのはどういう事業者なのかをチェックしていきましょう。
- 売掛先の同意が得られる状況
- 2社間ファクタリングほどのスピード感は必要ない
- 手数料はできる限り安くしたい
- メガバンクのような、信用できる機関に依頼したい
これらを、3社間ファクタリングが持つメリット、デメリットを解説しながらチェックしていきます。
3社間ファクタリングが持つ4つのメリット
3社間ファクタリングが持つメリットは、以下の通りです。
- 手数料が安い
- 最短2日〜5日程度で現金化出来る
- 自社の与信はほぼ必要ない
- 大手金融機関もサービス展開している
それでは、詳しく解説していきましょう。
1.手数料が安い
3社間ファクタリングで特筆すべきは、驚異的な安さを誇る手数料です。
3社間ファクタリングは、最安値だと1.5%~、高くても5%ほどが相場となります。
これは、2社間ファクタリングほど諸経費がかからないためと、売掛先を介して実行するために業者側が抱えるリスクが非常に小さくなるためです。
ですから、可能な限りは2社間ファクタリングよりも3社間ファクタリングを利用するべきといえるでしょう。
2.最短2日~5日程度で現金化出来る
2社間ファクタリングほどスピード感はないものの、3社間ファクタリングでも一般的な融資や出資と比較すると、圧倒的に早いです。
そのため、この点についてもメリットとすることができます。
2社間ファクタリングは、審査次第では即日現金化も可能ですが、そこまでのスピード感は必要ないという方は3社間ファクタリングで問題ないでしょう。
3.自社の与信はほぼ必要ない
ファクタリングは、売掛金の支払い元である売掛先の与信を最重要視しますが、3社間の場合は売掛先から直接ファクタリング会社に支払われるため、申し込み者の与信はほぼ不要です。
4.大手金融機関もサービス展開している
3社間ファクタリングは、メガバンクもサービス展開しています。
メガバンクのファクタリングは、手数料が安い代わりに審査が厳しくスピード感にも欠けますが、安全確実にファクタリングを行いたいという場合には非常に便利です。
でんさい(電子記録債権)を使った「でんさいファクタリング」も、金融機関経由で行うファクタリングです。
3社間ファクタリングのデメリット・リスク
一方、3社間ファクタリングのデメリット、リスクは以下の通りです。
- 売掛先の同意が必要
- 手続きが若干多くなり、場合によっては業者選びも自由にできない
それでは、簡単に解説していきましょう。
1.売掛先の同意が必要
2社間ファクタリングが誕生した理由でもありますが、売掛先の同意が得られないとどうやっても利用することができません。
その場合は、2社間ファクタリングを行うか別の資金調達手法を検討すると良いでしょう。
2.手続きが若干多くなり、場合によっては業者選びも自由にできない
大した手間ではありませんが、3社間ファクタリングはスピード感に若干欠けます。
また、業者を選ぶ際も、売掛先によっては互いの合意が必要な場合があります。
上記のデメリットがどうしても許容できない、という場合は、2社間ファクタリングを使うべきでしょう。
ですが、基本的には手数料の安さから3社間ファクタリングを利用するのがおすすめです。
まとめ
まとめると、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングでは、以下のような違いがあります。
- 手数料の安さ
- 売掛先の同意の有無
- スピード感
- 柔軟性
特に、3社間ファクタリングは手数料の安さに優れ、逆に2社間ファクタリングは売掛先の同意が必要ない、スピード感があるといった点で優れています。
どちらをより重要視するのか、自社の状況を鑑みて最適な方を選んでいきましょう。
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