ファクタリングを契約してから入金されるまでの流れは?
ファクタリングは、債権を現金化するという少々特殊な資金調達手法です。
ですから、実際にどういった流れで行われるのか、いまいちイメージが掴めない方もいるかと思います。
そこで、本記事ではファクタリングの仕組み・流れを3社間・2社間どちらも詳しく解説し、注意すべき点などを解説しています。
ファクタリングは、流れを知ればそこまでハードルの高いものではありませんので、この機に覚えておくと良いでしょう。
目次
ファクタリングの仕組みと流れを説明
本記事では、ポピュラーな「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の流れをそれぞれ解説していきますが、
その前に「ファクタリング」の共通した大まかな流れを紹介していきましょう。
ファクタリングは、ご存じの方もいるかと思いますが「融資」ではなく「買取」にあたります。
したがって、資金調達の中でも特殊で、かつそこまで複雑な手続きなく入金まで完了させることが可能です。
以下で、債権が発生してからの手順をナンバリングしてまとめました。
なお、すべて依頼者側視点で書いておりますので、実際に申し込む際の参考になれば幸いです。
- ファクタリング会社に申し込み
- 仮審査を受ける
- 仮審査の結果を踏まえ、本審査&買取額決定
- 買取額に同意し、契約
- 担保掛目を引いた額が口座に入金
- 支払期日、ファクタリング会社に売掛金を入金
- 入金確認後、担保掛目が入金される
3社間ファクタリングと2社間ファクタリングで違いはありますが、基本的な流れは上記のとおりです。
掛け目とは?
掛け目とは、正式名称を担保掛け目といい、要するに担保として一時的にファクタリング会社が預かる分のお金です。
売掛金を回収できなくなった場合などを除き、支払期日になれば担保掛け目が返還される形になります。
つまり、ファクタリング実行後に入金される額は、手数料+掛け目を除いた額となります(手数料10%なら、だいたい売掛金の70%〜80%が入金される)。
ここが注意しておいて欲しい点ですが、きちんと売掛金を期日に入金すれば、掛け目は返還されますので心配の必要はありません。
なお、一般的に掛け目は売掛先の与信や、2社間か3社間かによって変動し、80%〜90%が基本となっています。
ここまでが、ざっくりとしたファクタリングの流れとなります。
続いて、ここから2社間、3社間ファクタリングの違いを紹介していきましょう。
「3社間ファクタリング」の詳しい流れ
では、2社間と3社間のファクタリングの流れで違う部分はどこなのでしょうか?
大きな違いとしては、「売掛先」が関わるか関わらないかという点がポイントとなってきます。
これを、上述した流れにプラスすると以下のとおりとなります。
- ファクタリング会社に申し込み
- 仮審査を受ける
- 仮審査の結果を踏まえ、本審査&買取額決定
- 売掛先に請求額を確認、請求譲渡を通知
- 依頼者、売掛先それぞれがファクタリング契約
- 依頼者、売掛先、ファクタリング業者で契約内容・金額の最終確認
- 担保掛目を引いた額が依頼者の口座に入金
- 支払期日、売掛先が直接ファクタリング会社に売掛金を入金
- 入金確認後、担保掛目が入金される
少しややこしくなりますが、簡単に変更点を解説すると
- 売掛先も契約にかかわり、債権譲渡通知や最終確認ののち、契約
- 売掛先から直接ファクタリング会社に契約する
という流れとなっています。
売掛先とファクタリング会社が直接やりとりすることにより、正確に売掛先の状況を把握できるため、
ファクタリング会社にとっては貸倒れリスクが少なく、手数料が下がったり掛け目が上がったりするのが特徴です。
ただし、2社間ファクタリングよりも手続きに時間は多少要するのがデメリットといえます。
「2社間ファクタリング」の詳しい流れ
続いて、2社間ファクタリングについても確認していきましょう。
2社間ファクタリングは、概ね冒頭で解説した流れと同様になります。
- ファクタリング会社に申し込み
- 仮審査を受ける
- 仮審査の結果を踏まえ、本審査&買取額決定
- 買取額に同意し、契約
- 債権譲渡登記を行う
- 担保掛目を引いた額が口座に入金
- 支払期日、ファクタリング会社に依頼者が売掛金を入金
- 入金確認後、担保掛目が入金される
大きな違いとして、売掛先を介さないことと、「債権譲渡登記」が必要となる点に注意が必要です。
3社間ファクタリングでは、「債権譲渡」を売掛先に通知すれば大丈夫でした。
ですが、2社間ファクタリングでは債権譲渡を通知してしまうと、売掛先にファクタリングの事実がバレてしまいますので、通知するわけにもいきません。
そこで、法務省に対して「債権譲渡」の旨を登記することで、ファクタリング会社に債権が譲渡された旨を公的に証明するのです。
なお、債権譲渡登記には、登記に15,000円、往復の交通費なども含めると3万円ほどがプラスされます。
そのほか公正証書の発行などで、2社間ファクタリングの諸費用は7〜10万円ほど必要となり、これが手数料が上がる原因でもあります。
債権譲渡登記は売掛先でも確認できる?
なお、この登記に関しては、売掛先でも「一応」確認することは可能です。
法務省まで行き、概要記録事項証明書を提出の上、手数料を払えば債権譲渡登記がされているかいないか、されているならば譲受人の商号が記載された証明書を取得できます。
が、常識的に考えてわざわざそこまでの手間をかけて確認しに行く売掛先がいるかと言われれば、かなり怪しいでしょう。
そこまで債権譲渡をされて困る事情があるのであれば、証明書を取りに行くのではなくもっと別の方法で交渉を迫るはずです。
なので、「確認する方法はあるが、実質バレない」と捉えて問題ありません。
これは3社間ファクタリングも同様ですが、仮審査、本審査は2回目以降の利用であれば簡略化されます。
ですので、1回目より2回目のほうがスピードは早くなります。
さて、ここまでで2社間、3社間ファクタリングの流れの違いがわかったのではないかと思います。
ですが、流れの説明の中に「仮審査」「本審査」というものが何なのかが気になるのではないかと思います。
続いて、この審査内容について解説していきましょう。
ファクタリングの仮審査・本審査はどういう内容?
ファクタリングをするうえでの審査内容や必要書類などは、別記事に詳しくまとめております。
そのため、ここでは流れを把握するうえでの内容のみにフォーカスして解説していきましす。
仮審査では何を聞かれるのか?
まず、仮審査についてですが、多くの場合はメールや電話でのヒアリングとなります。
申し込みの際、折り返し電話と共に聞かれることが多いため、Web申し込みなどで希望金額や条件、日時などを書いておくと手間が省けます。
なお、その時に以下の内容を聞かれることが多いので、頭の中かメモにまとめておくとスムーズです。
- 会社名・規模・運営年数・業種・資本金など
- 売掛債権の額
- 売掛先について
- 使用用途
- 調達意図
会社のパンフレットか登記簿謄本など、会社の概要が書かれた書類はファクタリング契約の際に必要になります(会社概要を証明する書類として)ので、このタイミングで準備しておくと良いでしょう。
また、詳細は申し込むファクタリング業者に尋ねてみることをオススメします。
本審査では何をするのか?
続いて本審査ですが、ここで信用情報機関などを利用して審査が行われます。ここでファクタリング業者によっては、何営業日かかかる場合があります。
結果が出たら、買取額と共に審査結果が通知されます。
契約時に気をつけることは?
本審査で出た金額におおむね合意したら、契約に移ります。基本的に対面での契約が主流です。
ここでは、以下のような書類が必要となります。
- 代表者の本人確認ができる書類
- 会社の所在確認ができる書類
- 財務状況を把握できるもの(3ヶ月分の通帳のコピーなど)
こちらも、ファクタリング業者によって異なりますので確認しておくとスムーズです。
もちろん、書類提出に不備があったり、虚偽の申告をしてしまうと審査に時間がかかるばかりか、悪影響が出かねません。
準備をしっかりしてからファクタリングの申し込みに臨みましょう。
まとめ
まとめると、ファクタリングの大まかな流れは以下の通りとなります。
- ファクタリング会社に申し込み
- 仮審査を受ける
- 仮審査の結果を踏まえ、本審査&買取額決定
- 買取額に同意し、契約
- 担保掛目を引いた額が口座に入金
- 支払期日、ファクタリング会社に売掛金を入金
- 入金確認後、担保掛目が入金される
ファクタリングは債権の買取にあたりますので、手続きはそこまで煩雑なものではありません。
また、3社間と2社間では、売掛先が間に入るか入らないかという差があるため、買取スピードと手数料に差が生じる、ということを覚えておくと良いでしょう。
書類や相見積もりを取るなど準備をしっかりし、希望の条件でファクタリングができることを願っております。
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