近年、個人事業主(フリーランス)も受け付けるファクタリング会社は増えています。
現状では、売掛債権(請求書や領収書)さえあれば、個人でも法人でも関係なく実行できるのがファクタリングの強みと言えるでしょう。
ただ、個人は法人と比べて与信が低いため、「ファクタリングにおいて不利」と考えている人も多いです。
加えて、高い手数料というイメージがつきまとい、個人で融資を受けるほうがマシと考える人も少なくありません。
果たして、本当にそうなのでしょうか?
今回は、個人でファクタリングを利用するうえで知っておきたいことをまとめました。
フリーランスは融資が受けにくい=資金調達しにくい
フリーランス(個人事業主・自営業)は、法人と比較すると与信が低くなります。
理由として、安定した収入を得ることが法人や会社員と比較すると難しいとされているためです。
事実、個人が融資審査を受ける条件として「3期以上確定申告が行われており、安定した経営ができているという証拠」が必要であることがほとんど。
ですから、法人と比べて融資を受けるハードルが高いことは否定できません。
事実、融資の相談ができれば良い方で、門前払いされることも珍しくないのが現状です。
また、ローンを組んだり、クレジットカードの審査も安定した収入があることが証明できなければ難しくなってしまいます。
このように、メジャーな調達手段である銀行融資が望めないということは、資金調達の難易度が法人と比べて上がるということです。
個人では法人と比べるとできることに限りがあるのです。
※とはいえ、これは個人に限った話ではありません。たとえ法人でも設立してから日が浅かったり経営状況が悪化している時は審査に通らなくなります。
ビジネスローンは条件が比較的厳しめ
銀行融資が望めないのであれば、ビジネスローンを利用するという方法もあります。
ビジネスローンはノンバンクが法人向けに提供している融資のことで、銀行よりも審査が緩く融資スピードも速いです。
その代わり、金融機関から資金調達をしている都合上、金融機関より金利はどうしても高くなります。
具体的には、金融機関の融資が年利1.5%~5%なのに対し、ビジネスローンでは10%から18%となります。
ですから、資金調達においてはあまり多用すべきではない手段といえるでしょう。
消費者金融でもサラリーマンより審査が厳しくなる
設立して日が浅く、ビジネスローンも利用できない場合は、消費者金融を使うという手もあります。
ただし、消費者金融ではサラリーマンよりも不利な条件となるため、基本的にはお勧めできません。
ビジネスローンと違い、生活費などの調達でも利用することができるのがメリットですが、あくまで最終手段としておくべきでしょう。
日本政策金融公庫など政府系の金融機関なら借りられる
なお、個人であっても日本政策金融公庫など政府系の金融機関であれば融資を受けられます。
金利も金融機関並に低く、融資を受ける際は有力な手段の一つといえるでしょう。
ただし、場合によっては保証人や担保が必要となります。
融資が受けられなくても利用可能な「ファクタリング」のメリット
こうして見ると、フリーランスが資金調達するのはとても難しそうにみえます。
ですが、フリーランスが活用できる資金調達手段はもうひとつあります。それがファクタリングなのです。
ファクタリングは、「持っている売掛債権を別企業に売却して現金化する」手段のことです。
債権を譲渡し、現金化すること自体は中小企業庁が奨励している手段であり、違法性はありません。
ファクタリングの仕組みについては割愛しますので、詳しいことが知りたい方は以下の記事を参照してください。
フリーランスという業種におけるファクタリングには、以下のようなメリットがあります。
- 取引先が法人なら個人事業主でも利用できる
- 審査に影響するのは取引先の信用と、売掛金額のみ
- 早ければ即日で入金される
- 融資枠を使わない
- 3社間で実行するなら手数料は10%を超えない
取引先が法人かつ経営が安定してさえいれば、法人でも個人でも大きな差はありません。
取引先が法人なら個人事業主でも利用できる
取引先が法人であれば、個人事業主でも利用できる会社は増えています。
私の知る限りでは、個人事業者だからといって手数料が高くなるということもなく、取引先の与信と売掛金の金額で手数料が決まるケースがほとんどです。
取れる手段が限られている個人事業主にとっては、有力な資金調達手段の一つとなるでしょう。
審査に影響するのは取引先の信用と、売掛金額のみ
大きなメリットは、自分自身の余震が買取額に大きく影響しないという点です。
ファクタリングの審査で重要視されるのは「売掛先がきちんと売掛金を支払ってくれるか」どうか。
言ってしまえば、ファクタリング会社にとって債権者はどうでもよく、重要なのは直接お金を支払う取引先の方なのです。
ですから、個人であっても条件さえ揃えば低い手数料でファクタリングが可能というわけです。
早ければ即日で入金される
通常、金融機関での資金調達は2週間~1ヶ月かかることが普通です。しかし、ファクタリングの場合は契約が済めば即日で入金されることがほとんどです。
早ければ即日、遅くとも5日以内には入金されるので、急ぎの資金ニーズにも対応が可能です。
融資枠を使わない
融資枠を使わずに済むため、少ない融資枠をやりくりして資金調達する必要がありません。
したがって、余った融資枠を事業拡大に使ったり、ファクタリングで負債を増やさずに調達することが可能です。
3社間で実行するなら手数料は10%を超えない
貸し倒れリスクが下がる三社間ファクタリングであれば、手数料も10%を超えることはほとんどありません。
また、 あくまで売掛金の前借りのような形になるため、返済資金を用意する必要もありません。
個人にとっては、返済のことを考えなくていいという点もメリットといえるでしょう。
ファクタリングがおすすめなタイミング
続いて、個人事業主がどのタイミングでファクタリングをすればよいのかを解説していきましょう。
- 100万円以上まとまった金額の債権がある
- 長い付き合いで、入金遅れがない債権(優良債権)がある
- 入金サイクルが非常に遅い
- 大口の案件を請けたけど、手元資金が足りない
それでは、順に解説していきます。
100万円以上まとまった金額の債権がある
売掛金の金額が高いほど、手数料は安くなる傾向にあります。
ですから、ある程度まとまった金額の債権ファクタリングすることで、手数料は大きく抑えることができます。
逆に、数十万円程度の場合はファクタリングの際の手数料が高くなってしまいます。
本当にファクタリングをするべきかどうか、よく判断してから検討するようにしましょう。
長い付き合いで、入金遅れがない債権(優良債権)がある
継続した入金履歴があり、入金遅れがない債権は有料債権とみなされます。
さらに取引先が国や自治体であれば、債権の価値はもっと高まります。
手持ちにそうした債権があるのなら、融資よりもファクタリングが有利な状況であるといえるでしょう。
入金サイクルが非常に遅い
請求書を出してからの入金サイクルが非常に遅い場合、これもファクタリングが有効です。
例えば入金サイクルが60日を超えるような場合は、ファクタリングを行うことで50日以上の短縮が見込めます。
「手数料払ってでも、60日後の売掛金を早く手に入れることで事業の拡大ができる」などの状況では、ファクタリングがかなり有力な選択肢になるでしょう。
大口の案件を請けたけど、手元資金が足りない
大口の案件を受けたものの、外注費で手元資金が足りないなどといった場合も有効です。
ファクタリングですばやく資金調達し、大きなビジネスチャンスをものにすることができるでしょう。
「キャッシュフロー改善の見込みがある」「大きな案件をクリアするのに必要」といった場合では、積極的に利用していくべき手段といえます。
個人事業主は、特に大きな案件では資金不足に陥りやすいです。
ファクタリングを選択肢に入れておくことは、そうしたチャンスをスマートに掴むうえで重要なことであるといえるでしょう。
まとめ
個人事業主は、ファクタリングに不向きと思われがちですが、まとまった額の債権(100万円以上)をきちんと準備すれば問題はありません。
300万円程度の優良債権で、取引先に相談の上3社間ファクタリングを実施すれば、手数料を5%程度に抑えることも可能。
ビジネスローンを利用するよりも、圧倒的にメリットの大きい状況を作り出すことが可能です。
もちろん、売掛金の前払いという性質上、その後のキャッシュフロー改善を見据えた利用をしなければなりませんが。
与信が低くても利用できる資金調達手段、ファクタリング。一度検討してみてはいかがでしょうか。
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