ァクタリングと日本政策金融公庫、資金調達方法を比較!

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銀行ではなく、政府や自治体が融資を行う「公的融資制度」をご存知でしょうか?

公的融資制度の中でも「日本政策金融公庫(日本公庫)」は、政府が100%出資する金融機関で、特に中小企業・個人事業主の利用率が高い融資制度です。

また日本政策金融公庫とファクタリングは共通点として、

  • どちらも中小企業庁が奨励する資金調達手法
  • 中小企業・個人事業主向けの資金調達方法

という特徴があります。

本記事では、そうした共通点を持つ2つの資金調達手法を比較し、

  • 日本政策金融公庫とファクタリングの共通点
  • それらを踏まえた両者のメリット・デメリット
  • どういう状況でどちらを利用するべきか

といった事由をそれぞれ解説していきます。

ファクタリングに関する詳しい解説記事は以下をご参考にしてください。

日本政策金融公庫とは?

日本政策金融公庫ホームページ

まずは簡単に日本政策金融公庫について、理念や存在事由を解説して参ります。

日本政策金融公庫とは、冒頭で説明したとおり「政府が100%出資をする金融機関」です。

最大の特徴はその理念で、公式HPには以下の基本理念が掲げられています。

(1)政策金融の的確な実施

国の政策の下、民間金融機関の補完を旨としつつ、社会のニーズに対応して、種々の手法により、政策金融を機動的に実施する。

引用元:基本理念及び経営方針

民間金融機関の保管、つまり「銀行やノンバンクが取り扱いたがらない事業者をターゲットとする」という事が第一の理念です。

加えて、経営方針としては、「日本経済成長・発展への貢献」や「地域活性化」、「雇用の維持・創出」が挙げられています。

(3)日本経済成長・発展への貢献

国の政策に基づき、新たな事業の創出、事業の再生、海外展開及び農林水産業の新たな展開への支援など、政策金融に求められる各層の各種ニーズに適切に対応し、もって日本経済の成長・発展に貢献する。
(4)地域活性化への貢献

イ 雇用の維持・創出など地域経済を支える中小企業・小規模事業者及び農林漁業者等の活力発揮に向けた
支援を推進する。
ロ 地方自治体の総合戦略等の地域プロジェクトへの参画など、日本公庫の総合力を発揮し、地域の活性化に
貢献する。
ハ 地域に根ざした活動を展開し、地域社会への貢献に取組む。

引用元:基本理念及び経営方針 | 日本政策金融公庫

簡単にまとめると、

  • 銀行融資を受けられない中小企業・個人事業主への融資を行う事を通じて、日本経済の発展に貢献する
  • 新しい事業の創出や地域経済を支える企業・事業者のサポート・コンサルティングを行う

というのが日本政策金融公庫の特徴です。

創業した当初の頃は、「最初の融資は日本政策金融公庫を使え」と言われる通り、日本政策金融公庫は信用が伴っていない事業者の方でも、融資を受ける事ができます。

上記の特徴以外にも、日本政策金融公庫は

  • 金利が銀行融資よりも低い(2%前後)
  • 実績のない企業・事業者にも融資してくれる
  • 長期借入ができる

といった利点があります。

それでは続いて日本政策金融公庫とファクタリング、共通した特徴を解説していきましょう。

日本政策金融公庫・ファクタリングに共通した特徴

ファクタリングと日本政策金融公庫、共通の特徴とは?

まずは日本政策金融公庫とファクタリングに共通している特徴を見ていきましょう。

具体的には、以下の点が共通点して挙げる事ができます。

  1. 銀行よりも審査が緩い
  2. 創業したて・個人事業主でも利用できる
  3. 金融機関の審査が通りやすくなる

それでは、詳しく解説していきましょう

1.銀行よりも審査が緩い

先ほど解説したとおり、日本政策金融公庫は「民間の金融機関を補完する」ことを旨とした組織です。

また日本政策金融公庫は民間金融機関とは異なり、事業者の信用や業績ではなく、

事業内容が日本社会への貢献性を有しているか、地域活性化に繋がるか

といったことも融資ポイントとなります。

そのため信用が低い事業者の方でも。民間金融機関の融資よりも審査に通りやすいという特徴があります。

一方のファクタリングは融資ではありません。

利用の際に審査はありますが、ファクタリング審査で重視されるのは売掛金の優良性と回収リスクです。

したがって、中小企業や個人事業主の方でも問題なく、ファクタリングを利用する事ができます。

2.創業したて・個人事業主でも利用できる

日本政策金融公庫に関しては、先ほども述べた通り小規模事業者への金融支援を理念としており、主な融資ターゲットは創業したてのベンチャー企業や個人事業主となります。

一方のファクタリングは、上述した通り審査対象が異なるため、ご利用の際に事業者の信用情報や会社の業績などは重視されません。

従って「前期3年度が黒字決算」、「2年分の確定申告書類が必要」など、利用する上でそのような条件は不要です。

創業間もない事業者や、与信の低い個人事業主の方が資金繰りに窮してしまった際には、日本政策金融公庫とファクタリングの活用をオススメします。

3.金融機関の審査が通りやすくなる

日本政策金融公庫とファクタリング、どちらも利用する事で、将来的に金融機関の融資を受ける際にプラスに働くと考えられます。

日本政策金融公庫で借入を行い、きちんと返済すれば、融資を受け、完済したという信用が備わることになります。

加えて日本政策金融公庫で借入を行ったということは、

「事業内容の社会貢献性・成長性が評価された」

ということになり、金融機関からの評価も上がると期待されます。

一方、売掛債権を現金化するファクタリングは仕組み上「債権の買い取り」にあたるため、負債が増えることはありません。

加えて流動資産が預金に変換されるため、会計上は少ない資産で利益を上げたことになり、ROA(純資産利益率)などの指標が向上します。

純資産利益率が上がれば企業としての評価が上がるため、結果として融資の際に有利に働くと考えられます。

日本政策金融公庫のメリット・デメリット

日本政策金融公庫を利用する際のメリット・デメリットを説明

日本政策金融公庫を利用するメリット・デメリットは以下の通りです。

日本政策金融公庫のメリット
  1. 低金利で借入できる
  2. 大口の資金調達ができる
  3. 減額交渉(リスケ交渉)もできる
日本政策金融公庫のデメリット
  1. 審査には2週間〜3週間かかる
  2. 保証人が必須(女性向け小口融資は例外)

それでは、順にチェックしていきましょう。

メリット①低金利で借入できる

日本政策金融公庫を利用する最大のメリットは、低金利です。

公式HPに主要利率が掲載されていますが、担保付融資で1.16%〜2.25%、担保不要融資で2.06%〜2.55%が基準利率です。

与信の低い事業者に対しても民間金融機関の利率を遥かに下回る金利で融資できるのは、政府出資の金融機関ならではと言えます。

さらに詳しい利率一覧は日本政策金融公庫公式HPの「国民生活事業(主要利率一覧表)」を確認してみてください。

メリット②大口の資金調達ができる

日本政策金融公庫の融資サービスの一種である普通貸し付けやセーフティネット貸付では、融資限度額4,800万円と、大口の融資にも対応しています。

与信力が低い事業者であっても、日本政策金融公庫の平均貸付額は300万円〜500万円程度です。

ファクタリングで調達できる金額は、売掛債権の金額の80%程度ということと比較すると、大きなメリットであると言えます。

メリット③減額交渉(リスケ交渉)もできる

日本政策金融公庫は、企業へのサポート・コンサルティングも請け負っており、キャッシュフロー改善の相談に乗ってくれる機関でもあります。

状況や交渉次第ではありますが、返済額を減額するリスケ交渉も可能なのは安心感がある部分です。

デメリット①審査には2週間〜3週間近くかかる

日本政策金融公庫の融資は利用の際に、提出すべき書類が多く、審査には2週間程度時間を要します。

Q4 借入申込をしてから、融資が決まるまでにどれくらいの日数がかかるのでしょうか。

A4 お申込みいただいた後は、迅速に対応させていただきます。ご融資が決まるまでの平均所要日数は2週間程度(土日、祝日を含む。)です。ただし、ご融資の条件などによっては、多少日数を要する場合もあります。お急ぎの場合などくわしくは、最寄りの支店窓口にお気軽にご相談ください。

引用元:よくあるご質問 | 日本政策金融公庫

銀行融資よりは審査可否にかかる時間は速いと言えますが、最短即日入金が可能なファクタリングに比べると、スピードには劣ります。

デメリット②保証人が必須(女性向け小口融資は例外)

日本公庫では「担保不要融資」も取り扱っていますが、原則として「税務申告を2期以上行っている事業者」が対象になります。

なお、普通貸付であれば担保、保証人は応相談となっていますが、基本的には必要になると考えた方が良いでしょう。

まとめると、「低金利で比較的大きな額の融資を受けやすく、事業改善のコンサルティングも乗ってくれ、審査は2〜3週間」が特徴といえます。

ただし、担保・保証人が必要かどうかは実際に日本公庫側に相談する必要があります。

それでは、続いてファクタリングのメリット・デメリットを解説していきましょう。

日本政策金融公庫を利用すべき状況は?

有利な条件で融資が受けられる日本政策金融公庫を利用するべき事業者は、以下のような人であるといえます。

  • 創業間もなく、与信が低い
  • 融資を申し込んだことがない
  • 数週間程度は資金繰りに余裕がある

基本的には、申し込む余裕があるならまず相談してみると良いでしょう。

ただ、本当に急ぎの場合は、ファクタリングを利用するべきであるといえます。

ファクタリングのメリット・デメリット

ァクタリングを利用する際のメリット・デメリットを説明
  1. 審査・入金のスピードは即日〜数日
  2. 赤字決算・税金未納でも審査に通る
  3. 無担保・無保証人でOK
  4. 手数料が高い
  5. 債権が必要かつ、債権の額以上は調達不可能

それでは、詳しく解説していきましょう。

1.審査・入金のスピードは即日〜数日

ファクタリングの審査は「売掛先が売掛金を入金できるか」が最重要で、審査項目自体はそれほど多くありません。

ですから、売掛先を介さない2社間ファクタリングでは最短即日、3社間ファクタリングでも3日〜5日あれば現金化が可能です。

資金調達手法の中でもトップクラスのスピードは、利用を検討する価値がある部分といえるでしょう。

2.赤字決算・税金未納でも審査に通る

日本公庫がいくら審査に通りやすいとはいえ、債務超過や税金未納だと審査に通る可能性は低いです。

ファクタリングは、自社の与信が審査に占めるウェイトが小さいので、経営不振でも審査に通る可能性は充分あるのがメリットです。

3.無担保・無保証人でOK

日本公庫の場合、創業2年以内で普通貸し付けを利用したいなら担保や保証人が必要となります。

一方、ファクタリングは基本的に無担保・無保証人で問題ありません。

4.手数料が高い

2社間ファクタリングの場合、基本的にビジネスローンより少し高いぐらいの金利で実行されます。

さらに、年単位で返済していく融資と違って、ファクタリングはいわば数ヶ月で返済する融資といえます。

ですから、短期的には手元に残るキャッシュが非常に少なくなってしまう部分がデメリットといえます。

5.債権が必要かつ、債権の額以上は調達不可能

ファクタリングを利用するには、当然安定した取引履歴のある債権が必要ですので、創業間もない頃は利用できないケースも存在します。

加えて、債権の買い取りである以上債権の金額以上は調達できないので、この点は気をつける必要があります。

ファクタリングは上記のような特徴を持ち、日本公庫とは似ている面もまったく異なる面もあることがわかります。

それでは、これらのメリット・デメリットを総括し、両者を利用するべき状況がどういったものか、考えていきましょう。

ファクタリングを利用すべき状況は?

ファクタリングを利用すべき状況は以下の通りです。

  • 明日にでも資金が必要
  • 赤字決算・税金未納など問題を抱えている
  • 与信の高い債権がある
  • 負債を増やしたくない

入金を急いでいる状況以外では、ファクタリングの前に日本政策金融公庫の利用を検討した方が良いでしょう。

とはいえ、国からの安定した債権がある場合や、負債を増やしたくない場合など、単に入金を急ぐ場合以外でもファクタリングを利用すべきタイミングは存在します。

経営戦略上、ファクタリングを利用した方が良い、あるいは併用するべきであれば、3社間ファクタリングも視野に入れていきましょう。

ファクタリングと日本政策金融公庫についてのまとめ

ファクタリング・日本政策金融公庫についてのまとめ!

日本政策金融公庫は、政府が100%出資する金融機関であり以下のような特徴を持ちます。

  1. メガバンク並みの低金利
  2. 大きめの額を一度に調達できる
  3. 減額交渉(リスケ交渉)もできる
  4. 審査には2週間~3週間かかる
  5. 保証人が必須(女性向け小口融資は例外)

平均利率は2%前後と、非常の低金利での融資を、実績のない事業者に行ってくれる唯一と言っても良い機関が日本公庫です。

ファクタリングと比較すると、入金スピードや依頼者の与信、夫妻が増えない点などで劣りますが、純粋な資金調達手法としてはこれ以上ないほどです。

したがって、入金を急いでいる場合を除き、まず日本公庫に融資の相談をしてから改めてファクタリングを利用するかどうかを検討するのが吉といえます。

ファクタリング、日本公庫共に、キャッシュフロー改善の相談に乗ってくれることが多いです。頼れるところは頼り、経営を安定させていきましょう。