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手形割引とファクタリングは、どちらも「売掛金を早期現金化する」ための方法です。

目的は同じなのにもかかわらず、なぜ手形割引とファクタリングはそれぞれ別の方法として扱われているのでしょうか?

また、一般的には「手形割引よりファクタリングのほうが便利」とされていますが、その理由は何なのでしょうか?

本記事では、手形割引からファクタリングへ切り替えるかどうか検討している人に向け、両者を比較、解説していきます。

手形割引よりファクタリングの方がシステムとして優れている

手形割引よりファクタリングの方がシステムとして優れている⁉

手形割引とファクタリングは、どちらがより優れた方法なのでしょうか?

実のところ、ファクタリングはまだそれほどメジャーな資金調達手法ではありません。理由としては、まだ3〜4割ほどの企業が支払い手段として手形を利用し続けているためです。

ですが、手形割引とファクタリングの目的は同じであるため、何も考えずに手形で支払い続けるよりもファクタリングに切り替えた方が良い場合もあるのです。

その理由を解説していきましょう。

大きな違いは手形割引=「融資」、ファクタリング=「買取」

ファクタリングと手形の大きな違いとして、手形割引は「融資」扱いなのに対し、ファクタリングは「買取」である点が挙げられます。

これは、後述するファクタリングのメリットにも大きく影響し、総合的に見てファクタリングのほうが優れている理由のひとつでもあります。

手数料面で差はあまりない

まず、ファクタリング利用時に懸念される手数料ですが、売掛先を介する「3社間ファクタリング」の場合は、手数料(割引料)に大きな差はありません。

まず、手形割引で必要となる割引料の目安は、以下の通りとなっています。

金融機関手形割引率(年率)
都市銀行1.5〜3.0%
普通銀行2.0〜3.5%
信用金庫2.5〜4.5%
信用組合3.5〜5.5%

一般的に、金融機関あるいは公的機関が降り出す手形であれば、融資とほぼ変わらない利率で手形割引を利用できます。

続いて、ファクタリング実行時の手数料目安を見ていきましょう。

取引方法手数料目安
3社間ファクタリング1.5%~5%
2社間ファクタリング(初回)15%~30%
2社間ファクタリング(継続)7%~20%

2社間ファクタリングについては、手数料の設定に申し込み者・売掛先の与信が大きく関わってくるため、このように分けて記載しています。

一般的に、手形割引は3社間ファクタリングと同じように売掛先の合意の元で行いますから、比較すべきは3社間ファクタリングと手形割引です。

したがって、3社間ファクタリングでも手形割引とほぼ変わらない利率でファクタリングが実行できるということになります。

売掛金の買取スピードが大幅に違う

融資である手形割引はもちろん、ファクタリングにも売掛金を買い取る際は審査を受ける必要があります。

ですが、審査を挟んで最終的に売掛金が口座に入金されるまでのスピードには、少なくない差があることに注意しなくてはなりません。

ファクタリングが最速で1日後には入金されることと比較すると、手形はそれよりも少し遅くなります。

民間業者であれば審査の時間も短くはなりますが、手数料もそれに比例して上がってしまうのがネック。

状況と求めるスピードにもよりますが、この点は注意しておくようにしましょう。

「2社間ファクタリング」なら売掛先に知られずに現金化できる

売掛金の早期現金化は、活用することで審査に好影響が出るほか、キャッシュフローの改善につながる有用なものですが、残念ながら風評被害を払拭するには至っていません。

「業者を利用してまで売掛金を現金化しなくてはならない=経営が苦しいのではないか?」と勘ぐってしまわれるためです。

そこで、ファクタリングでは通常の売掛先が合意する3社間ファクタリングのほかに、売掛先を介さない「2社間ファクタリング」サービスも提供されています。

金融機関では取り扱っておらず、ノンバンクのみとなりますが、売掛先の理解が得られないときでも選択肢があるのはファクタリングの強みといえます。

上記が、手形割引とファクタリングを比較した場合で、ファクタリングをおすすめする理由です。

では、続いて手形割引の問題点を解説していきましょう。

手形割引のデメリットとは?

手形割引のデメリットとは?

先ほど伝えた部分も含めますが、手形割引のデメリットは以下の通りです。

  1. 不渡りの際に返済リスクがある
  2. 審査が厳しい
  3. 取引先が承諾しなければ利用できない

このうち、4については上の項目で解説しましたので、1〜3について具体的に解説していきましょう。

1.不渡り発生の際に返済リスクがある

取引先の破産などで、手形が不渡りを起こした場合、申し込み者に返済義務が発生してしまうことはご存じかと思います。

返済は一括で行われる場合が多く、キャッシュフローに苦しんでいる時にこうなると大打撃を受けかねません。

一方で、ファクタリングには不渡り発生時の返済義務は(基本的に)ありません。

ファクタリングは、現状ほぼ全てノンリコース(償還請求権無し)での契約が前提となっているためです。

あえて償還請求権有で契約することで、手数料を下げることもできますが、おすすめはしません。

とにかく、不渡りリスクを負わなくて良いというのはキャッシュフローを改善するうえで、少なくない安心感が出るでしょう。

2.審査が厳しい

手形割引は、目的や形態を変えてはいるものの、本質的には「短期融資」と同じです。

ですから、審査は融資の時よりも少し優しい程度で、基本的に誰でも通るというわけではないことに注意しましょう。

とはいえ、債権を担保にしており、かつ短期であることから、通常の融資と比べて何割かは通りやすくなっています。

一方で、ファクタリングは「債権回収リスク」を主にチェックされるため、審査に通りやすいばかりか「依頼者の与信」も重視されません。

それはなぜかというと、重用すべき点が「売掛先が売掛金を問題なく支払えるか」という部分であるためです。

ファクタリングにおいて、依頼者の返済能力は重要視されません。赤字決算や税金の滞納があってもOK、と謳う業者が多いのはそのためです。

この審査の厳しさの違いは、頭に入れておくと良いでしょう。

3.取引先が承諾しなければ利用できない

手形割引は、ポピュラーな手法とはいえ利用を拒む事業者も少なからず存在します。

取引先の承諾がなければ利用できない、というのは問題点といえます。

ですが、ファクタリングの場合は、前述したように「3社間ファクタリング」だけでなく「2社間ファクタリング」も利用できます。

手数料は上がってしまいますが、仮に売掛先が難色を示しても抜け道があるというのはファクタリングの利点といえるでしょう。

選択肢の広さ、という点でも手形割引が劣っている点といえます。

上記のように、ファクタリングと手形割引ではファクタリングのほうに軍配が上がります。

特に、民間の業者で手形割引をするくらいなら、ファクタリングを利用した方が良いというのは間違いないでしょう。

まとめ

手形割引からファクタリングへの切り替えがおすすめ!

本記事をまとめると、ファクタリングと手形割引には以下の違いがあり、総じてファクタリングが優れているということがいえます。

  • ファクタリングは不渡り時に依頼者の支払い義務が発生しない
  • 審査にかかる時間がファクタリングのほうが短い
  • ファクタリングは審査に通りやすい
  • 2社間ファクタリングでは取引先の同意が必要ない
  • 3社間ファクタリングの手形割引では、手数料に大きな差が無い
  • 管理コストや紛失リスクがある

本サイトでは、手形割引からファクタリングへの移行を応援すべく、ファクタリングに関する基礎知識やおすすめの事業者を紹介していきます。