介護報酬ファクタリングの特徴を解説

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介護報酬ファクタリングの特徴を解説。「介護報酬が入金されるのが2ヶ月先で資金繰りが苦しい…」「開業したてで運転資金が心許ない…」など、介護業界でも資金繰りに悩む事業者は少なくありません。

また、融資枠を使わずに資金調達をしたいというニーズを持つ方もいることでしょう。

本記事では、そうしたシーンを解決する「ファクタリング」という手法について紹介しています。
ファクタリングをすることでどんなメリットがあるのか、ファクタリングが向いている事業者は誰なのかなど、介護報酬ファクタリングについて詳しく解説。

事業者の悩みに沿って、できる限り理解しやすくまとめていますので、参考にしてみてください。

介護報酬ファクタリングとは?

介護報酬ファクタリングとは?

さて、まず「ファクタリング」という資金調達手法はご存じでしょうか?

ファクタリングとは、発生した売掛債権を、ファクタリング業者に「買い取ってもらう」ことで、売掛債権に書かれた金額を、支払いを待たずに現金化する手法です。

平たく言うと、「売掛金を受け取る権利」を専門業者に売却するという認識で問題ありません。

この手法は、中小企業庁も奨励する資金調達手段として、特に支払いサイトが長く、売掛債権の発行率が高い建設業界や、小売・製造業で活用されています。

このファクタリングにはいくつか種類があり、「一括ファクタリング」「国際ファクタリング」などさまざまなものがあります。

介護報酬ファクタリングとは、そのうちの「医療ファクタリング」に含まれる手法のひとつと定義されており、その名の通り「介護報酬債権」を売却して現金化する手法です。

介護事業で発生する「介護報酬債権」は、ご存じだと思いますが、

  • 国保連(国民健康保険団体連合会)
  • 支払基金(社会保険診療報酬支払基金)

この2つの機関が発行する債権となります。

この報酬を請求してから、入金されるまでの支払いサイトは45日後が一般的。発生してから請求するまでの期間も考えると、だいたい2ヶ月前後かかります。

ですが、ファクタリングすることにより、発生した債権を請求から1週間以内で現金化することが可能になるのです。

これは、介護報酬債権だけでなく、診療報酬・調剤報酬でも可能です。

「介護報酬を受け取る権利」を素早く現金化できる

米ドル札

通常、介護報酬の支払いは2ヶ月後に行われます。ファクタリングを実行すると、この支払期間を待たずして現金化することが可能です。

つまり、ファクタリングした場合、現在から数えて2ヶ月後の介護報酬が、いくらかかの手数料が引かれた状態で入金されるという形になります。

なお、ファクタリングの際は担保の代わりとして「掛け目」が設定されており、実際の買取額から10%~20%程度が「本来の支払期日に入金」されることになりますので注意してください。

ちなみに、国保連や支払基金から、ファクタリングの実行を断られることは基本的にないと考えてよいです。

したがって、実行の際に「国保連から断られないだろうか…」などの心配は必要ありません。

では、ざっくりとした概要でしたが、

  • ファクタリングはどういう資金調達手法なのか
  • 介護報酬を現金化するというのはどういうことなのか

これらがおおむね理解できたのでは無いかと思います。

それでは、続いてこの「介護報酬ファクタリング」を行うことでどのようなメリットがあるのかを紹介していきましょう。

介護報酬ファクタリングをするとどういうメリットがある?

米ドル札と計算機

さて、介護報酬ファクタリングがどういうものかについてを先ほど解説していきました。

それでは、これを行うことによってどんなメリットがあるのでしょうか?以下に、メリットを箇条書きでまとめました。

  • 介護報酬債権を1.5ヶ月~1ヶ月早く現金化できる
  • 与信が不安でも審査が通りやすい
  • 有利な条件でファクタリングが可能

それでは、これらを具体的に解説していきましょう。

介護報酬債権を1.5ヶ月~1ヶ月早く現金化できる

最大のメリットとして、支払いサイトが2ヶ月先である介護報酬を現金化し、資金繰りに余裕を持たせることができます。

ファクタリングをすると助かる状況というと、たとえば

  • 開業したてで運転資金が少ない
  • 従業員の賞与など、突発的に資金を調達する必要がある
  • 黒字経営なのにキャッシュが手元になくて資金繰りが苦しい

こうした状況を、一度に素早く解決できるのはファクタリングならではといえるでしょう。

また、キャッシュを多く持っておくことで、借入金の圧縮などに充てることもできます。

与信が不安でも審査が通りやすい

上記に関連しますが、開業したての状況で創業融資ならまだしも、銀行融資を受けるのは難しいです。

他の資金調達手段というと、医療機関債などもありますが、医療機関債は3年以上の黒字経営が融資の条件となっており、これまた開業したての状況には向きません。

このような状況で、キャッシュフローを素早く改善できるのは、ファクタリングの大きなメリットといえます。

有利な条件でファクタリングが可能

国保連・社保が発行する債権のため、ファクタリング業者にとっては「万に一つも貸し倒れるリスクがない」優良債権といえます。

加えて、他の業界と比べて医療業界は与信の面でも好意的に見られやすいです。

そうした事情が重なり、医療ファクタリングは他の業界よりも低い手数料でファクタリングをすることが可能なのです。

ちなみに、手数料相場は「0.25%~5%」とかなり低い金利で現金化できるのもポイントです。

さて、このようなメリットを持つ「介護報酬ファクタリング」。メリットと照らし合わせてみると、利用するのに向いている事業者が見えてくるかと思います。

介護報酬ファクタリングが向いている介護事業者は?

介護報酬ファクタリングの利用が最適な事業者の特徴

先ほど、介護報酬ファクタリングのメリットをまとめて紹介しましたが、これらから見えてくる「介護報酬ファクタリングを使うべき事業者」は以下のような方だといえます。

  • 開業間もないなど、融資を受けるのが難しい
  • なるべく早く債権を現金化したい
  • 融資枠を使わずに資金調達をしたい

まず、開業したて、赤字経営が続いているなど、与信に不安のある方。資金繰りに困っているのであれば、低い手数料でファクタリングできる業者を探すべきでしょう。

そして、上記に加え「資金調達をしたいが融資枠を使いたくない」という事業者にも向いています。

ファクタリングは融資ではなく資産の売却にあたりますので、融資枠を使うことも無ければ、今後の融資に悪影響が出ることもありません。

むしろ、流動資産を現金化することによる会計上のメリットも期待できる手法です。

まとめると、資金調達・キャッシュフローの改善など、さまざまなシーンで活用できるといえるでしょう。

では、最後に「介護報酬ファクタリングを利用する際の注意点」も解説していきます。

介護報酬ファクタリングの注意点は?

困っている表情のイラスト

資金調達手法のひとつとして、メリットの大きい介護報酬ファクタリングですが、利用の際に注意しておかなくてはならない点が2つほどあります。

具体的には以下のとおり。

  • 掛け目の額しか報酬が入らない月が発生する
  • 利用し続けているとキャッシュフローが苦しくなる

では、具体的に解説していきましょう。

掛け目の額しか報酬が入らない月が発生する

冒頭で、「ファクタリング実行時に掛け目(20%前後)が引かれて入金される」と述べました。

これは、ファクタリング実行月は、本来受け取る報酬の80%程度しか入金されないと言い換えることができます。

加えて、本来の支払期日は「掛け目である本来の報酬」しか入金されてこないことも注意しておかなくては鳴りません。

要するに、ファクタリングは「報酬の前払い」を実現する制度であり、お金を増やす手法ではないため計画的に利用する必要があります。

利用し続けているとキャッシュフローが苦しくなる

加えて、「利用し続けているとキャッシュフローが苦しくなる」という点も認識しておく必要があります。

医療ファクタリングの手数料は微々たるものとはいえ、利用し続けていると報酬は目減りし、長期的にはそこそこのマイナスになります。

したがって、長期的に事業拡大、報酬の増加を見据えた利用をしなくてはなりません。

融資を受けられるならば、ファクタリングよりも融資を受けるべき理由はここにあります。

上記の注意点は、実際にファクタリングを利用するとつい意識しなくなってしまうものなので、十分注意したうえで利用を計画するようにしましょう。

まとめ

介護報酬ファクタリングについての記事をまとめる様子

では、本記事で述べていることをまとめましょう。

介護報酬ファクタリングは、通常45日かかる介護報酬の支払いを、「介護報酬を受け取る権利」を業者に売却することで1週間程度に短縮する手法です。

介護業界の特性上、債権の与信が高いため非常に有利な条件でファクタリングすることができ、特に以下のようなシーンでの活用が期待できるでしょう。

  • 開業したてで運転資金が少ない
  • 従業員の賞与など、突発的に資金を調達する必要がある
  • 黒字経営なのにキャッシュが手元になくて資金繰りが苦しい

一方、ファクタリングは「介護報酬の前払い」制度なので、純粋に事業拡大で資金が足りないなどの場合や、そもそも融資を受けられる場合は融資を受けた方が良いのは間違いありません。

あくまで、融資枠を使いたくない、融資が受けられそうに無いなど、状況的に融資という手段が取れない状況で活用すべき手段であることを認識しておきましょう。