PMSの症状の原因について

「PMS」とは、Premenstrual Syndrome の略で、「月経前症候群」のことです。
PMSは、生理前約2週間から起こる症状で、ココロとカラダに様々な不調が現れる状態を指します。

前回の生理と次回の生理までの間には、卵胞期・排卵期・黄体期という期間があり、これを経て次の生理がやってきます。
この期間における基礎体温の変化は、前回生理から卵胞期・排卵期までは低温相になり、黄体期を迎えると高温相になります。
そして、次回の生理が来ると再び低温相になります。女性の体では、このようなサイクルで生理がやってきます。

黄体期になり基礎体温が上昇すると、ホルモンの一種である「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が多く分泌されるようになります。
このころになるとPMSの症状が現れるとされています。
では、なぜPMSが起こるのでしょうか。ここでは、その原因を探っていきます。

PMSでめまい症状が起きる原因とは

生理前になると、めまいが起こるという人もいますが、この原因はPMSにある可能性が高いです。
生理前は黄体期が約2週間続きますが、その間には、黄体期前の排卵期に分泌されていた「エストロゲン」と呼ばれる卵胞ホルモンが減り、プロゲステロンと呼ばれる黄体ホルモンが増えてくる時期になります。

分泌されるホルモンが入れ替わる時期は、ホルモンバランスが崩れやすい時期でもあります。
ホルモンバランスが崩れると自律神経のバランスも崩れやすくなり、カラダがその変化に上手く付いていけなくなってしまいます。
これにより、めまいなどの症状が出やすくなります。

黄体ホルモンが大量に分泌されることによって、水分の代謝が低下して余分な水分が体外へと排出されにくくなります。
また、脳内にある神経伝達物質にも影響すると言われています。
特に、平衡感覚をつかさどる内耳周辺に水分が溜まると、めまいの症状が起こりやすくなります。

その他にも、元々血圧が低い人は水分代謝が低下することで、急に立ち上がったり長時間経っていたりする場合に起こる起立性低血圧が悪化し、めまいを引き起こすケースもあります。
また、貧血状態や片頭痛からもめまいを引き起こすケースもあります。

PMSによるめまいの原因は、その人の体調によっても異なってきます。
そのため、めまいを解消させるには、自分の今の体調と黄体ホルモンによる影響とを重ねて原因を追究する必要があります。

水分代謝の低下が考えられる場合には、カラダがむくんでいる可能性が高いため、むくみを解消させる対策を取ります。
むくみ解消にはカリウムを積極的に摂取するのが効果的です。
カリウムを多く含む食材には、キュウリや果物などがありますが、より効果的なのが「あずき茶」です。
あずきを炒って煮出すだけで簡単に作れ、味も麦茶に似ていて飲みやすいです。

めまいだけでなく、不安な気持ちになったりイライラする場合には、自律神経の乱れが考えられます。
このような場合には、適度な運動をしてリフレッシュさせます。
ウォーキングやジョギング、ヨガなどで適度の疲れを感じることで、質の良い眠りが得られて自律神経の崩れも解消していきます。

貧血気味の人はPMSになりやすく、ビタミンやミネラルなどの栄養素が常に欠乏していることが多いです。
特に、ミネラルの一つである鉄分が不足しがちになると鉄欠乏性貧血を起こしやすく、それがPMSの引き金になるケースが多いです。
この場合、鉄分を補給することで解消されるので、鉄分を多く含むレバーや魚介類を積極的に摂取しましょう。
20代の人は1日6.0mg、30代の人は1日6.5mgを目安に摂取すると効果的です。

PMSによるめまいは、黄体ホルモンの影響だけではなく、体調やココロの状態、日常生活など様々な要素が重なって起こる場合が多いです。
そのため、日頃から体調の管理をすることで、めまいを抑えることも可能です。

つわりのように具合の悪い生理前の過ごし方

PMSの症状が強く出てしまう人の中には、生理前になると、まるで「つわり」のように気分が悪くなり、日常生活にも支障をきたす場合があります。

PMSの症状は、めまいだけではなく他にも様々な症状があります。
例えば、乳房のハリ・むくみ(顔や手足)・不眠・便秘・下痢・ニキビ(吹き出物)・吐き気などです。
特に吐き気が起こる人は、胃のむかつきなどが常にあるため、つわりのときのように体調も優れない場合が多いです。

つわりのような吐き気が強く出る場合にも、めまいと同様、その他の要素が絡んでいる可能性があります。
特にストレス・緊張・不安・疲労などを受ける過ごし方をすることで、PMSの症状を強くし、つわりのような吐き気が現れることがあります。

女性の場合、既婚・未婚に限らず男性と同様に働く人が増えています。
場合によっては、夜遅くまで残業をし、朝は早く起きて朝食を作るということもあるでしょう。
このような過ごし方をしていると、常に疲労と不眠が蓄積されていき、生理前になるとつわりのような辛いPMS症状が起こってしまうのです。

生理前の黄体期では、排卵が終わって卵胞ホルモンが減少したことで、脳内物質の一つであるセロトニンの分泌が急激に減少します。
セロトニンは、楽しさや喜びといったポジティブな気持ちにさせる脳内物質であり、このセロトニンの分泌が減少することで、ネガティブ思考に陥りやすくなります。
そんな生理前の時期に、環境の変化や強いストレスを受ける過ごし方をすると、常に緊張した状態が続くことになり、人によってはPMSの症状を悪化させる要因になってしまうのです。

つわりのような症状を起こさない過ごし方

つわりのような辛い症状を起こさないための過ごし方には、生理前にどのような生活を送るのが良いのでしょうか。

PMSの症状を抑える過ごし方としては、(1)適度な運動、(2)こまめな水分補給、(3)ストレスを溜めない、(4)十分な睡眠を取る、(5)大豆食品を積極的に摂る、などを実践すると効果的です。

適度な運動

有酸素運動などを取り入れることで、自律神経のバランスを整えることができます。
更に、汗をかくことで老廃物が体外から排出され、気分をリフレッシュさせることができます。

こまめな水分補給

むくみを気にして水分を控えがちですが、これは逆効果です。
利尿作用のある緑茶やハーブティ、あずき茶をこまめに飲むことで、余分な水分や老廃物の排出を促進させ、辛い症状を抑えることができます。

ストレスを溜めない

つわりのような吐き気が現れる人は、特に几帳面で失敗するとクヨクヨと落ち込んでしまう人に多いです。
ネガティブな気持ちは、PMSの症状を更に悪化させる要因になるため、ストレス発散をしてココロに溜めないように気をつけましょう。

十分な睡眠を取る

睡眠不足はPMSの原因でもあります。
十分な睡眠を取ることで、ココロとカラダを休ませることができ、疲れを次の日に持ち越すことがなくなります。

生理が来るとPMSが収まる理由

PMSの大きな特徴は、生理がやってくるとピタリと症状が収まるところにあります。
生理前は、日常生活にも支障が出るくらい辛かったのに、なぜ生理が来ると症状が収まるのでしょうか。

PMSが起こる時期は、黄体ホルモンのプロゲステロンが大量に分泌されます。
それによって、水分代謝機能が低下し、体内に余分な水分が溜まることで起こりやすくなります。
黄体期は約2週間程度続き、そして次の生理が来ますが、生理が来るとプロゲステロンの分泌も正常に戻ります。
それによって水分代謝も正常に戻るため、余分な水分が体外に排出されるようになり、PMSの症状も収まるわけです。

ただし、PMSが現れる人の中には、生理が来て症状が収まる人もいれば、症状が収まらない人もいます。
なぜ、このような違いが起こるかというと、PMSの症状はめまいや吐き気などの他に、200種類以上もあると言われているからです。
そのため、症状が少ない人は生理が来ると収まることが多いですが、様々な症状が出る人は長引くことがあるのです。

年齢を重ねると悪化するPMS

更に、PMSは年齢を重ねるごとに悪化するといわれています。
特に、黄体ホルモンが減少し始める30代~閉経時期にかけてPMSの症状が悪化していく可能性があるのです。

場合によっては、ホルモンバランスが崩れたことで別の病気が悪化し、それをPMSだと間違えてしまうこともあります。
例えば、うつ病・片頭痛・月経困難症(生理痛)などがあります。

PMSの症状には精神的不調もあり、気分の落ち込み・イライラ・倦怠感・不安が強くなる、といった症状が現れることがあります。
これらの症状はうつ病の症状とも似ており、間違えることがあります。
日常生活でストレスを抱えがちの人で症状が長引く場合には、うつ病を発症している可能性が考えられます。

いわゆる頭痛持ちの人は、生理前になって水分代謝が低下することでむくみが生じて、片頭痛を悪化させることがあります。
その際、片頭痛が引き金となって起こる随伴症状として、めまい・吐き気・精神的不安などが起こってくる場合があります。
これらの症状は、PMSと類似していることから間違えられることが多いです。
普段から片頭痛が起こる人は、生理が来ても症状が収まらない時は、PMSではなく片頭痛の可能性があります。

生理になると月経困難症が起こる場合があります。
これは、いわゆる生理痛のことで、主な症状としては下腹部の痛み・腰痛・下痢・頭痛・吐き気などがあります。
月経困難症が起こる原因は、生理が来たことで子宮内膜が剥がれ落ちて出血となって体外に排出されますが、その際にプロスタグランジンと呼ばれる生理活性物質を分泌させます。
プロスタグランジンが過剰に分泌されることで、子宮の収縮が強まり様々な不調が現れます。

PMSの症状と生理痛の症状が似ている場合、生理が来て生理痛の症状が出ても、それをPMSと勘違いしている場合があります。
生理痛は、出血量が減少したり生理が終わることで症状も収まるため、生理終了時に症状が出ているかどうか見極めると良いでしょう。

PMSが起こる人と起こらない人の違いとは

PMSの症状の出方は、人それぞれ違いがあります。
日常生活に支障が出るほど重い人もいれば、症状は出るが比較的軽い人もいます。
中には、全く症状が起こらない人もおり、その違いはとても大きいです。
では、PMSが起こる人と起こらない人の違いは一体どこにあるのでしょうか。

PMSが起こりやすい人には、ある共通点があります。
その共通点は、頭痛持ち・睡眠不足・仕事優先・ストレスを溜めやすい・几帳面・完璧主義・落ち込みやすい、などです。
これらの共通点に当てはまる場合には、PMSが起こりやすいです。

ということは、これらの共通点に当てはまらない人とは、規則正しい生活をしている・失敗しても切り替えができる・こだわりを持たない・プライベートに仕事を持ち込まない・ストレス発散を頻繁にする、という人になります。
ストレスは体調不良を起こすだけでなく、PMSを悪化させる要因でもあります。
PMSが起こらない人の多くは、ポジティブ思考の人が多く、たとえストレスを感じてもそれを引きずることがありません。

年齢を重ねるとPMSが長引く傾向にあると説明しましたが、PMSが起こるか起こらないかの点においても、年齢は関係してきます。

PMSと年齢の関係

PMSの症状が出てくるのは生理が始まる10代後半からで、症状が無くなるのは閉経を迎える50歳前後とされています。
中でも、特に症状が強く出る傾向にある年齢は30代といわれています。
30代では、プライベートでは結婚や出産・育児を迎える時期であり、仕事では中間管理職の立場から責任ある立場へと変わる時期になります。
環境が大きく変わるこの時期にはストレスを感じることが多くなり、それが引き金となってPMSが起こることがあります。

環境が大きく変わってストレスを感じるようになっても、家族や友人に相談したり、気持ちを切り替えることができる人は、PMSが起こらないことが多いです。
我慢して溜めこむとストレスへと発展してしまいます。
生理前になると頻繁に体調を崩すという人は、何よりも生活を見直し、気分転換をしてココロとカラダをリフレッシュさせることが大切です。

ストレスの原因は人それぞれ違いますが、仕事面でストレスを感じる人は、誰でも失敗はするという気持ちで初めから完璧にやろうと思わないようにしてみましょう。
気を張って仕事をすることも大切ですが、常に気を張っていると疲れてしまいますしミスにもつながります。
また、同僚にも相談することで違った考え方に切り替えられることもあります。

家庭や育児などでストレスを感じる人は、ご主人と相談して家事や育児を手伝ってもらうことで、自分の時間を持つことができ気分転換が行えるようになり、ストレス発散ができます。
特にお子さんが小さい時には育児ノイローゼにもなりやすいため、夫婦で協力して育てることが大切です。

様々な方法でストレス発散をしてもPMSが起こるという人は、我慢しても症状は良くなりません。
そのため、婦人科を受診して医師の指示を受けるのも手段の一つです。